●「書道」「ゴスペル」笑顔誘う
「しげちゃん」と親しまれる室井滋さんが、ちゃめっ気たっぷりに学ぶ楽しさを伝えた。1日、富山新聞氷見総局開館を記念して氷見市芸術文化館で開かれた富山アカデミー祭では、室井さんが書道とゴスペルの合唱を体験。観客の笑いを誘いながら、新たな学びに挑戦する意欲をくすぐった。
「書道だけは苦手で『シゲル』と書いても『ツゲル』にしか読めないほど、悪筆だったんです」。そう恥ずかしそうに幼少期を振り返った室井さんは、いざ筆を持つと、体を揺らして力強く筆を走らせた。
躍動感あふれる字体で「氷見の鰤(ぶり)」と書き上げると、観客からどよめきが起き「上手な字やね」と感心する声が聞かれた。講師の書家今川芳舟さんから「人生がにじんでいる。感性が良い」とたたえられ、満面の笑みを見せた。
ゴスペル体験では、シンガー・ソングライターのエリック・カスティーロさんや受講生約20人と一緒に「オー・ハッピー・デイ」のコーラスを歌った。室井さんは軽やかなステップで体を揺らし、歌い終えると「楽しー」と声を上げた。
トークでは女優業について「(役柄のしぐさを)長年やっていたかのように見せないといけない」と紹介。役作りなどでギターやわらじ編みなど特技を身に着けてきたとし、おでこで鍵盤ハーモニカを弾く特技で、映画「男はつらいよ」の主題歌を響かせた。
フリーアナウンサーの鍋田恭子さんが聞き手を務め、富山新聞文化センター講師の友井賢太郎さんがピアノ演奏を披露した。
ゴスペル講座の受講生で、室井さんと舞台に上がった高岡市の河原佳代子さん(54)は室井さんの多才ぶりに触発され「色んなことにチャレンジする姿勢がすごい。書道もやってみたくなった」と声を弾ませた。
文化センターの舞台発表では、「やさしいお箏(こと)」講師の増井雅柊盈(まさとえ)さんが「子どもに人気のアニメの曲も取り入れ、古典に興味を持ってもらえるようにしたい」と意気込んだ。
「はじめてのチアダンス」のKYOKOさんは「ダンスが苦手な子どもでも楽しめる内容になっているので、どんどん参加してほしい」と呼び掛けた。