観て集う文化拠点 富山駅北にオーバード・ホール「中ホール」開館

中ホールのメインロビーで華やかに行われた開館記念式典=富山市牛島町

 富山市が富山駅北に整備したオーバード・ホールの「中ホール」(同市牛島町)が1日、開館した。最大客席数は652席で既存の大ホールの約3分の1。「ちょうどいい」をコンセプトに掲げ、市民が気軽に公演を観(み)て集える文化拠点を目指す。メインロビーで記念式典があり、招待者220人が祝った。

 中ホールは地上4階、地下1階建て。客席が可動式で、イベントに応じた空間演出ができる。音楽鑑賞室や楽屋、練習室、ウオーミングアップ室なども備える。建設費は約60億円。

 オーバード・ホールの大ホールは最大2196席を備える国内有数の施設だが、市民グループの発表の場としては大きすぎるとの声もあった。中ホールの完成により、より多様なニーズに対応できるようになる。

 式典で藤井裕久市長は「開かれたホールにしたい」とあいさつ。デザインに関わった建築家の隈研吾さんは「温かみのある内装にした。愛される場所になっていけばいい」とビデオメッセージを寄せた。

 式では1、2階のさまざまな場所に、富山商業高校吹奏楽部や魚津市のミュージカルカンパニーWOZなどが登場し、演奏や歌を披露した。式典後、歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎さんらによるこけら落とし公演が上演された。

中ホールのメインロビーで行われた開館記念式典=富山市牛島町

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