京都市・京都水族館のケープペンギンは61羽の大所帯。それだけに、1羽1羽の体調管理をするのも一苦労だ。担当の小野地慧(けい)さんは「羽数が多いので、広い視野を持たないといけないなあと思います。目立つ子と目立たない子がいますし、しっかりカバーしてあげないと」と明かす。
これだけいれば、個性もさまざま。人懐っこい子もいれば、負けず嫌いな子も。泳ぎが大好き、逆にプールが苦手と特徴が出てくる。また、メンタルに強い、弱いタイプがいて、メンタルは食欲にも大きな影響を与えるらしい。
「他のペンギンとケンカしたり、好きな子に振られたりすると、グッと食欲が落ちる子もいますので」と小野地さん。メンタルの不調か体調不良かは、顔つきである程度は判断できるというが、見極めはなかなか難しいとのこと。飼育スタッフは毎日の観察で自己研鑽をしている。
毎年12月ごろに更新して発表される「京都ペンギン相関図」には、「元夫婦」、「略奪婚」、「初恋結婚」、「恋多き女」など、それぞれの関係性が記されている。「ペンギンの洞窟エリア」に設置されているだけでなく、ホームページにも掲載されており、スマートフォンを手に確認しながらペンギンを眺めている来場者もいるそうだ。
ペンギンには京都の通りから名前が付けられており、昨年11月と12月に誕生した「さい(佐井通り)」「れい(冷泉通り)」「みぶ(壬生川通り)」もプールデビューを終えて、成鳥たちと仲良く暮らしている。個性いろいろ61羽の中に、自分と重なるペンギンがいるかもしれない。
(よろず~ニュース・中江 寿)