ペレス「雨でマックスがいるのが分からなかった。バトルの中でお互いに限界を超えてしまった」/F1第10戦スプリント

 2023年F1オーストリアGPの土曜スプリントで、レッドブルのセルジオ・ペレスは2番手を獲得した。

 ウエットコンディションとなったスプリントのオープニングラップで、ペレスとチームメイトのマックス・フェルスタッペンは激しいバトルを繰り広げた。

 2番グリッドから好スタートを切ったペレスが、ターン1の手前で、1番グリッドのフェルスタッペンの前に出た。フェルスタッペンはすぐさま反撃を行い、コーナー出口で並びかけるが、ペレスに押し出されるような形で、右側の片輪を濡れた芝生の上に落とし、再び後ろに下がった。フェルスタッペンは、ターン3でペレスのインに飛び込んだものの、態勢を崩して大きくはらみ、ペレスがコース外にはみ出すことに。ペレスは2番手でコースに復帰することができ、次のコーナーで再びフェルスタッペンに仕掛けるが、逆にすぐ後ろを走っていたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)にポジションを奪われる結果となった。

 このバトルの際に、フェルスタッペンもペレスも、それぞれ無線で「彼に押し出された」(フェルスタッペン)、「マックスはどうしたんだ」(ペレス)と怒りを示した。

 24周のスプリントの11周目、ペレスはヒュルケンベルグを抜いて2番手を取り戻し、フェルスタッペンとともにレッドブルの1-2フィニッシュを飾った。

2023年F1第10戦オーストリアGP スプリント後のマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス(レッドブル)

■セルジオ・ペレス(オラクル・レッドブル・レーシング)
スプリント・シュートアウト=2番手(SQ1=14番手1分06秒924:ソフトタイヤ/SQ2=8番手1分05秒836:ソフトタイヤ/SQ3=2番手1分04秒933:ソフトタイヤ)
スプリント=2番手(2番グリッド/タイヤ:インターミディエイト)

2023年F1第10戦オーストリアGP スプリントスタート直後のマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス(レッドブル)

 チームの全員にとって素晴らしい結果だ。スプリントレース序盤についてだが、マックスと僕は、お互いにミスジャッジがあって、必要以上に接近してしまった。でもそれについてすでに話をして、今は問題ないよ。

 レースでは、ハースのニコを抜いた後は、確実に最後まで走り切ることに集中した。路面が乾き始めて、タイヤの温度が上がりすぎていたんだ。でも結局は望んでいた結果をつかむことができた。

 明日の決勝は15番手からのスタートになる。オーバーテイクは簡単ではないだろうけど、全力を尽くしたうえで、何ができるかを見ていく。できるだけ多くのポジションを取り戻すために頑張るよ。昨日、とても良いペースを見せることができたし、マシンに良い感触を持っている。

 まだ体調が優れなくて、残念ながら100パーセントの状態にはほど遠い。でも明日何ができるかを確認するのを楽しみにしている。

 ボブ・ファーンリー(注:ペレスがかつて所属していたフォース・インディアF1チームの副代表で、金曜に訃報が伝えられた)のことをしばし偲びたい。彼は僕の人生においてとても重要な影響をおよぼした人だ。長い年月を共に過ごし、たくさんの楽しい時間を共有した。(夫人の)オードリーと彼の家族の幸せを願っている。本当に悲しい。幸せな思い出をたくさん作った仲なんだ。

2017年F1シンガポールGP エステバン・オコンの誕生日を祝うボブ・ファーンリー(フォース・インディア副代表)とセルジオ・ペレス

(スプリント後の会見で語り)マックスは、ターン2に入っていく時のことで怒っていたんだと思う。僕には彼がそこにいるのが見えなかった。ターン1での走りがひどかったので、ラインを守ろうとしていた。でも彼がいると知った後で、ドアを開けて、コーナー入口でポジションを返した。

 すべて問題ない。これについて話したからね。僕たちはトップと2番手で走っていたけれど、それでも(雨が降っていて)視界がとても悪かった。

(『Sky Sports F1』に語り)彼は芝生にはみ出した。ふたりとも少し限界を超えていたと思う。二度とこういうことが起きないように学ぶつもりだ。

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