昨年末のワールドカップで悲願の初優勝を成し遂げたアルゼンチン代表リオネル・メッシ。
36歳になった彼は2026年のワールドカップには出場しないと明言しており、その遠くないうちに代表チームを去ることになる。
そうなった場合、メッシが長年背負ってきた10番は誰かが受け継ぐことになる。すぐに他の選手が着用することはないかもしれないが、その可能性がある選手をピックアップしてみる。
アレクシス・マカリステル
24歳MF、リヴァプール所属、2019年に20歳で代表デビュー(キャップ数17、1ゴール)
昨年末のワールドカップでアルゼンチン優勝に貢献すると、ブライトンでもブレイクを果たした秀英。
テクニックや創造性だけでなく、運動量や献身性を兼ね備えた完成度の高いMFだ。
代表では20番だが、アルヘンティノスやブライトン、今夏移籍したリヴァプールでは10番をつけている。ボカ時代は8番だったが、リヴァプールではその番号を辞退。
「リヴァプールでは8番や10番が空いていた。スティーヴン・ジェラードがつけた8番はクラブにとって非常に重要な番号なので、少しためらった。結局、10番を選んだけれど、8番も大好きな番号だし、このクラブでは歴史がある」とその理由を説明している。
ちなみに、かつて、リヴァプールにはギャリー・マカリスター(McAllister)というスコットランド代表MFがいた。アイルランド系移民の子孫であるマカリステル(Mac Allister)とはスペルがそっくりだ。
パウロ・ディバラ
29歳FW、ローマ所属、2015年に21歳で代表デビュー(キャップ数38試合、3ゴール)
ユヴェントスでは10番を長く背負ったが、21歳で加入した当初の番号は21だった。
「好きな数字なんだ。自分の年齢でもあるし、かつて素晴らしい選手たちがつけていたしね」というのが理由だったが、それ以降、21番に愛着を持っている。
昨夏移籍したローマではフランチェスコ・トッティがつけた10番の継承を辞退.。ネマニャ・マティッチに泣きながら電話して、21番を譲ってもらった(マティッチは8番に変更)。
代表でも21番をつけてきたが、10番も似合うはず。ちなみに、ユーヴェに移籍する前のパレルモでは意外にも9番をつけている。
ラウタロ・マルティネス
25歳FW、インテル所属、2018年に20歳で代表デビュー(キャップ数48試合、21ゴール)
彼もメッシとともに昨年末のワールドカップ優勝を果たした選手。
ラシンでは32番でデビューした後に10番に変更すると、インテルでも10番を背負っている。イタリア移籍時は20歳だったが、「10番を背負うことに特別なプレッシャーはない」と豪語していた。
代表では22番をつけてきたが、これはラシンとインテルでプレーした偉大な先輩ディエゴ・ミリートが好んでいた番号。
ラウタロは2018年に代表デビューする際にミリートが背負った22番をつけることを志願しており、この番号のほうが愛着があるかもしれない。
アンヘル・コレア
28歳FW、アトレティコ・マドリー所属、2015年に20歳で代表デビュー(キャップ数23試合、3ゴール)
ロサリオの危険な地域で貧困のなかで育ち、10歳で父親を亡くしたため、8人の兄弟を養い、母の世話を手助けするなど生い立ちは壮絶(兄弟2人も亡くしている)。
アトレティコでは心臓疾患を乗り越え、2018年から10番を背負ってきた。
メッシが新型コロナ感染などの影響で欠場した2022年1月~2月の代表戦では10番を着用。ただ、代表での立場的にはやや荷が重いかもしれない。
ファクンド・ブオナノッテ
18歳MF、ブライトン所属、2023年に代表デビュー(キャップ数1試合)
世界各地から有望な若手を引き抜いているブライトンがアルゼンチンから獲得した宝石。
10歳からロサリオ・セントラルで育成されると、17歳時点でクラブ史上最高額となる1150万ユーロ(18億円)でブライトンに青田買いされた。
中盤ならサイドでも中央でもプレー可能。ロサリオ・セントラルの監督として指導したカルロス・テベスは「彼はとてもシャイだったが、ピッチ上では変貌する。天井知らずさ」とその才能を絶賛している。
クラブでは40番をつけており、今年6月に代表デビューした際は27番を着用。メッシはその試合を欠場したため、共演は叶わず。ブオナノッテは「メッシと一緒にプレーしたかった」と悲しんでいた。
ちなみに、欧州移籍後に両親に家をプレゼントした孝行息子でもある。