ワグネル部隊の移動未確認 ウクライナ、打撃能力否定

ロシア・ロストフナドヌーの南部軍管区司令部から撤収するワグネル戦闘員=6月24日(ロイター=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ軍のナエフ中将は1日、国営通信社ウクルインフォルムに対し、ロシア民間軍事会社ワグネル部隊のベラルーシへの移動は確認されていないと述べた。ロシアからベラルーシへの核兵器の移転も注意深く監視しているが、現時点でそのような動きは覚知されていないとした。

 ゼレンスキー大統領は1日、スペインメディアに対し、ワグネルの移動は「情報面の圧力に過ぎない」とし、ウクライナに深刻な打撃を与える能力はないと見なした。また武装反乱を起こしたワグネル創設者プリゴジン氏とプーチン大統領の内紛が、ロシアの戦力に大きな影響を及ぼすと分析し、反転攻勢を有利に進める考えを示した。

 ロシアでは本来「私兵」の組織や武器保有は非合法。国防省は1日を期限として、軍と契約して指揮下に入るようワグネルなどに求めていた。

 ベラルーシ東部モギリョフ州オシポビチ郊外では、軍事基地跡に300余りのテントのようなものが並んでいるのが衛星画像で確認されており、ワグネルの拠点になる可能性が指摘されている。

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