大しめ縄作り手求む 射水・八幡宮「協力隊」が発足

しめ縄を取り付ける地域住民=2022年9月、放生津八幡宮

  ●150年の伝統、後継者不足に

 射水市八幡町の放生津八幡宮で2日までに、江戸時代から継承されている「大しめ縄作り」を後世に伝えていこうと、「しめ縄協力隊」を発足させた。今までは地域住民約30人が毎年、しめ縄制作に携わり、秋季例大祭を前に奉納してきたが、高齢化や後継者不足が課題となっていた。気軽に見学や体験をできる環境を整えることで、150年以上続く伝統を残していく。

 八幡宮では1845(弘化2)年の火災で大鳥居が燃え、65年に再建している。同時期には地元の漁師らがわらを編んだしめ縄を毎年、奉納していたとみられる。1959(昭和34)年に現在の大鳥居になった後も同様の活動が続けられ、約50年前からは地元住民が受け継いだ。

 大しめ縄は長さ約16メートル、最も太い中央部分の胴回りは約2メートルで、氏子らが能登産のわらを使って作っている。取り付けは9月23日に行う。以前は8月中旬ごろから作業を始めていたが、現在では70~80代の5人程度となり、開始時期が年々、早まっている。

 住民からも高齢化で厳しいなどの声が聞かれるようになったため、八幡宮が協力隊として、ホームページを通じ、関心を持つ人の募集を始めることにした。作業は月~土曜日の午前8~10時に行っており、見学や体験をすることができる。大伴泰史宮司は「多くの人に感心を持ってもらい、日本の伝統文化を体験するきっかけにしてほしい」と話した。

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