●「石川に行きやすくなった」 アウトバウンドが課題に
格安航空会社(LCC)タイガーエア台湾の小松―台北便が2日、3年ぶりに運航を再開した。週2便のダイヤで、4月に復便したエバー航空のデーリー便を合わせると過去最多の週9便となり、初便で小松入りした観光客は「さらに石川に行きやすくなった」と歓迎した。一方で、小松から台湾へのアウトバウンド需要は伸び悩んでおり、今後の安定運航の課題となりそうだ。
タイガーエア台湾は新型コロナの流行を受けて2020年3月から小松―台北便を運休していたが、感染状況が落ち着き、訪日需要が復調してきたことを受け、木曜、日曜の週2便体制で運航を復活した。
再開初日となった2日、台北からの乗客は168人、台北行きの利用は125人で、機材繰りの影響で小松には約50分遅れで到着した。小松空港の国際線到着ロビーでは、石川県職員3人が観光パンフレットなどを乗客に手渡して歓迎した。
タイガーの運航再開を機に、初めて台湾を観光したという金沢市長町1丁目の会社役員浅田英郎さん(55)は「ちょうどいい時間帯の運航でありがたい。夜市や九份(きゅうふん)が楽しかった」と2泊3日の旅行を振り返った。
日本旅行を満喫して小松から台湾へ戻る大学生王功宇(おうこう)さん(20)は「台北便を運航する会社が増えると便利になる。また日本に来たい」と笑顔を見せた。
県によると、小松―台北便は4月にエバー航空が運航を再開した後も想定ほど利用が伸びておらず、2社体制に戻ることでの需要喚起効果が期待される。
台北便以外の小松発着国際線は、大韓航空のソウル便、中国東方航空の上海便がいずれも運休を続けており、現時点で再開の見通しは立っていない。