道ばたや公園の雑草、加工して家畜の餌に コスト削減や「海外情勢に左右されない」期待も ブルーテック(本部町)

 農作物の残さや搾りかすの粉末化に取り組むベンチャー企業、ブルーテック(本部町、平安正人社長)は、公園や道ばたなどで刈り取られた雑草を粉砕し、瞬時に熱風を当てることによって、家畜の餌として加工する技術を確立した。牧草の価格は輸送費の高騰で上昇傾向にあり、現在は1キロ当たり80~100円だが、同社が沖縄県内で加工した草は1キロ当たり20円程度で、約4分の1に抑えられる。平安社長は「海外の情勢に左右されない餌として期待できる。機械や技術を広げていきたい」と語った。

 3月から、本部町内の牧場で13カ月の雄牛に雑草から加工した草を与える実証実験を始めている。通常は「配合飼料8割、牧草2割」の餌を与えるが、実験している牛には「配合飼料4割、加工した草6割」を混ぜ合わせている。配合飼料の中身にもよるが、この牧場では、通常よりも餌代が5割以上削減された。

 今後は成長度合いに合わせて、加工した草の量を増やしたり、ブルーテックが加工したバガス(サトウキビの搾りかす)の粉末も混ぜ合わせたりすることも検討している。

 ブルーテックの技術は、刈り取られた雑草を粉砕機にかけ、熱風を瞬間的に当てることによって、牛が好んで食べることができる水分量まで下げる。刈り取られたばかりの草の水分量は約80%だが、同社の機械にかけることで、20%以下に減少させる。通常、配合飼料と混ぜられる、稲わらなどの牧草と代替することが可能となる。

 平安社長によると、農家の費用減少だけではなく、これまで費用を払って処理してきた雑草を餌として加工することが可能となる。同社は今後、造園業などさまざまな企業との連携も模索していきたいという。

 実証実験をしている牧場の担当者は「コロナで物流が止まり、稲わらが仕入れられない時期もあった。県内で安心してつくれる技術を広げていくことで、畜産業にとって大きな利点がある」との考えを示した。 (池田哲平)

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