バウティスタの連勝止まるも2勝。ラズガットリオグルはスーパーポール・レースで勝利/SBK第6戦イギリス

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第6戦イギリスラウンドがドニントンパークで行われ、レース1、2でアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、スーパーポール・レースでトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)が優勝を飾った。

 土曜日のスーパーポールは夜に降った雨により完全なドライコンディションではなかったものの、母国ラウンドとなるジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)がオールタイムラップ・レコードを更新して、今季初となるポールポジションを獲得した。2番手はクラッシュを喫したアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、3番手はダニロ・ペトルッチ(バーニー・スパーク・レーシングチーム)で、ペトルッチはSBKで初のフロントロウ獲得となった。

■レース1:バウティスタ優勝。レイはSBKで250回目の表彰台

 午前中は空のほとんどは雲に覆われて冷たい風が吹いていたが、レース1が始まる14時近くになると青空が見え始め、気温21度、路面温度27度のドライコンディションで行われた。

 ホールショットを奪ったのはバウティスタで、ポールポジションからスタートしたレイは2番手に後退する。3番手はペトルッチ、4番手にはラズガットリオグルが続く。

 2周目、バウティスタが9、10コーナーをショートカットしたところでレイがオーバーテイク。さらにラズガットリオグルがペトルッチから3番手を奪う。バウティスタは続いてラズガットリオグルにかわされ、トップはレイ、2番手がラズガットリオグル、3番手がバウティスタというトップ3となった。

 ラズガットリオグルはトップのレイにぴたりとつけ、7周目にオーバーテイク。しかしレイも譲らず再びトップに立つも、ラズガットリオグルがレイをパスした。そんなふたりに、一時はやや離れていたバウティスタが接近し、トップ争いはレイ、ラズガットリオグル、バウティスタ、さらにアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)もそこに加わって激しいトップ争いが展開された。

 8周目、ラズガットリオグルがトップ、バウティスタは2番手に浮上し、レイが3番手というオーダーとなる。9周目にはバウティスタがバックストレートでラズガットリオグルをパスし、バウティスタがトップに立った。トップがバウティスタ、2番手がラズガットリオグル、3番手がレイとなったところで、レイはペースをキープできず、じりじりと離されていく。残り10周になるころには、2番手のラズガットリオグルもバウティスタから引き離され、トップ3が単独走行となっていった。

 レース終盤、レイの後ろにペトルッチが迫る。ペトルッチは一時、5番手に後退していたがポジションを回復し、残り5周で3番手のレイとの差は0.5秒を切った。だが、ペトルッチもそれ以上レイに接近することができず、やがて再び差が開いていった。

 バウティスタはトップを守り、優勝を飾った。2位はラズガットリオグル、3位はレイが獲得している。レイにとっては今回がSBKにおける250回目の表彰台獲得となった。4位はペトルッチ、5位はアンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)だった。

■スーパーポール・レース:ラズガットリオグルがバウティスタの連勝ストップ

 スーパーポール・レースではレイが先行するも、残り2周でラズガットリオグルがトップに立ち、さらに最終ラップでバウティスタがレイをオーバーテイク。ラズガットリオグルが優勝してバウティスタの連勝をストップした。バウティスタは2位、レイは3位を獲得した。4位はロカテッリ、5位にはペトルッチが入っている。

 レース2は気温18度、路面温度25度のドライコンディションで行われた。スーパーポール・レースの結果により、ポールポジションはラズガットリオグル、2番グリッドはバウティスタ、3番グリッドはレイというフロントロウとなった。

 1コーナーに先頭で飛び込んだのはバウティスタだったが、そのインサイドにラズガットリオグルが飛び込んでバウティスタをかわし、トップに立つ。しかし8コーナーでマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、トム・サイクス(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)、ロリス・バズ(モノヴォ・アクションBMW)の3人がクラッシュ。この多重クラッシュにより、赤旗が提示されてレースは一時中断となった。

 なお、サイクスは胸部の負傷と右の肋骨骨折、左足首の負傷により、さらなる検査のためノッティンガムのクィーンズ・メディカルセンターに運ばれた。リナルディは軽い脳震盪と、右足首に負傷を負ったということだ。

 約20分の中断後、レースは22周で再開された。グリッドはスーパーポール・レースの結果に準じたものとなった。スタート後、トップに立ったバウティスタに2番手に浮上したラズガットリオグルが続き、3番手にレイ、4番手にロカテッリがつける。

 ラズガットリオグルは11コーナーでバウティスタをオーバーテイクすると、その一瞬を突いてレイも2番手にポジションを上げる。バウティスタは3番手に後退した。トップのラズガットリオグルと2番手のレイは接戦を展開し、バウティスタは3番手でふたりの後ろに続く。

 ラズガットリオグル、レイ、バウティスタのペースはほぼ同じで、3人は接戦のまま、順位を変えずに周回を重ねていった。その後ろには、母国ラウンドのロウズが4番手に浮上している。

 しかし10周目になるころ、レイのペースがやや落ち始める。レイの後ろを走るバウティスタが9、10コーナーで縁石を使いながらレイをパス。トップを走るラズガットリオグルを追う。トップ争いはラズガットリオグルとバウティスタによる激戦となった。

 14周目、ついにバウティスタがトップを奪い、ラズガットリオグルを引き離し始める。残り5周、バウティスタとラズガットリオグルとの差は1秒以上に開いた。

 終盤に接戦となったのは3番手争いだった。レイ、ロウズ、そしてペトルッチによるバトルとなり、残り6周でペトルッチがロウズをとらえて4番手に浮上した。ペトルッチのペースは明らかに前を走るレイよりもよく、残り5周でレイをパスして3番手にポジションを上げた。

 さらにこの集団にスコット・レディング(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が迫り、残り4周でレイをかわす。レディングが4番手に浮上、レイは5番手に後退した。

 バウティスタはレース2で優勝を飾り、今季16勝目を挙げた。2位は中盤までバウティスタとトップ争いを演じたラズガットリオグル、3位はペトルッチが獲得した。ペトルッチにとってはSBK初の表彰台となった。4位はレディングで、今季自己ベストリザルト。5位はレイが獲得した。

連勝は止まったが、決勝レースは2レースともにバウティスタが勝利している

 スーパースポーツ世界選手権(WSS)のレース1は、優勝がニコロ・ブレガ(Aruba.itレーシング・ワールドSSPチーム)、2位はステファノ・マンジ(テンケイト・レーシング・ヤマハ)、3位はヤリ・モンテラ(バーニー・スパーク・レーシングチーム)だった。岡谷雄太(プロディーナ・カワサキ・レーシング)は予選で25番グリッドを獲得し、レース1は21位でゴールした。レース2もブレガが優勝。2位はモンテラ、3位はフェデリコ・カリカスロ(アルテア・レーシングチーム)が獲得した。岡谷は25位でフィニッシュしている。部真生騎(VFTレーシング・WEBIKEヤマハ)は予選でトップから105%以内のタイムを記録できず、予選落ちとなった。

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