サインツ悔しい6位「チームプレーに徹し、最大の結果をつかめなかった」VSC時の判断にも不満:フェラーリ/F1第10戦

 2023年F1オーストリアGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールは2位、カルロス・サインツは6位という結果だった。

 ルクレールはグリッドと同じ2番手をレースで守り切ってフィニッシュ。今季ベストの2位で、シーズン2回目の表彰台を獲得した。

 サインツは、3番グリッドからファーストスティントは3番手を走行。ルクレールの後ろ1秒以内を走り、チームに対し、自分を前に出してほしいと頼んだが、チームからはポジションキープを指示された。

2023年F1第10戦オーストリアGP シャルル・ルクレールとカルロス・サインツ(フェラーリ)

 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がトラブルでコース脇にマシンをとめ、バーチャルセーフティカー(VSC)が導入された際、フェラーリはルクレールとサインツを、VSC導入の次のラップで同時にピットに入れた。ルクレールは2番手でコースに復帰できたが、サインツは、コースに戻る時には6番手にまでポジションを落としてしまった。サインツは「なぜステイアウトしなかったんだ」と無線で苛立ちを示している。

 コース上でオーバーテイクを繰り返し、サインツは3番手に復帰、トラックリミット違反によって5秒のタイムペナルティを受け、2回目のピットストップで消化したものの、その後も3番手を維持した。しかし71周のレースの61周目にセルジオ・ペレス(レッドブル)に抜かれ、4位に落ちてしまった。ルクレールは、サインツがペレスと戦って数周にわたり抑え続けたことが、2位を守る助けになったと述べている。

 レース後、FIAがトラックリミット違反について詳細な調査を行い、12件にわたる追加のペナルティを決定。そのなかにサインツも含まれており、10秒加算のペナルティを受けた結果、サインツは6位に降格になった。

■シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
決勝=2位(71周/71周)
2番グリッド/タイヤ:ミディアム→ミディアム→ハード

2023年F1第10戦オーストリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)が2位を獲得

 表彰台に戻ってくることができてうれしい。金曜と今日は、自分たちが持つものを最大限に活用できた。今週末導入したアップグレードはうまく機能していた。チームは素晴らしい仕事をした。この方向に向けて努力していこう。

 カルロスがチェコに対して素晴らしいディフェンスをしてくれたことが、僕のレースの助けになった。カルロスに感謝したい。サーキットのスクリーンで見ていたんだけど、本当にエキサイティングなバトルだったね!

 次はシルバーストンだ。シュピールベルクと並んで、僕の大好きなサーキットだ。次戦も再びマシンの新しいアップグレードを活用して、レッドブルにもっと力強く挑戦していけるといいね。

■カルロス・サインツ(スクーデリア・フェラーリ)
決勝=6位(71周/71周)
3番グリッド/タイヤ:ミディアム→ミディアム→ハード

2023年F1第10戦オーストリアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)のバトル

 堅実なレースだった。ただ、この最終結果には満足していない。今日の僕たちにはダブル表彰台がふさわしかった。

 マシンの感触が良く、速さがあると感じたが、最初のピットストップの後、タイムとポジションを失った。全力を尽くしてプッシュし、挽回に努め、いくつかオーバーテイクを成功させた。でも残念ながらトラックリミット違反によるペナルティを受けた。

 終盤、チェコからポジションを守るためにベストを尽くしたけれど、表彰台のポジションを守り切ることができなかった。

 いくつか見直すべき点があると思うが、全体的には、自分たちの進歩に満足すべきだろう。この方向にプッシュしていく必要がある。

(レース後、追加ペナルティを受ける前のインタビューで語り)悔しいリザルトだ。ミディアムタイヤで強力なペースを発揮していたのに、チームプレーに徹した結果、良いリザルトを得られなかったように感じる。こういうときは辛い気持ちが残る。今日の僕はとても強力だったと思う。とても速かったし、オーバーテイクもディフェンスもうまくやった。それを思うと、4位は望む結果ではない。

(『Sky Sports F1』にVSC下でのピットストップについて語り)それまでは彼(ルクレール)のすぐ後ろを走っていて、0.4秒差ぐらいだったのに、最初のピットストップで、6秒~7秒にギャップが広がり、ポジションを3つ落とした。僕はチームプレーに徹していたと思う。(ルクレールの)後ろにとどまり、ピットストップでタイムを大幅に失い、ポジションを3つ落とした。チームとして何か他の行動を取ることも可能だったと思うと悔しい。

 VSCが出た時、僕はターン9の半ばにいて、ピットに入るつもりはなかった。ステイアウトが正しい判断だったからだ。次のラップに、VSCが終わるタイミングでピットに入るというのが正しい判断だったのかどうか、分析する必要がある。

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