カンボジア、FB代表を国外追放 首相アカウント凍結勧告に報復か

1日、カンボジアの首都プノンペンで開かれた集会で支持者に手を振るフン・セン首相(共同)

 【プノンペン共同】カンボジア政府は、フェイスブック(FB)を運営する米IT大手メタの在カンボジアの代表者を国外退去処分にすると発表した。地元メディアが3日までに伝えた。メタの第三者機関「監督委員会」が暴力的脅迫を禁じる規則違反を理由に、フン・セン首相のFBアカウント一時凍結を勧告しており、報復措置とみられる。

 フン・セン氏はFBの投稿を取りやめ、別の通信アプリで発信すると宣言。カンボジアでは7月下旬に下院選があり、主要な情報発信手段を失ったことは与党にとって選挙戦の痛手となりそうだ。

 フン・セン氏は1400万人超のフォロワーがおり、主張を直接発信し影響力を拡大してきた。地元メディアによると、同国のFBユーザーは全人口の約8割に当たる1370万人超だ。国民の利用は継続される見通し。

 監督委員会はフン・セン氏が1月に自身のアカウントに投稿した動画を問題視。2022年の地方評議会(議会)選での与党カンボジア人民党による不正を訴えた政敵に対し、「ギャングを家に派遣する」などと脅迫したとされる。

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