路線価、富山駅前上昇続く 県内最高地点、桜町2.0%増

2年連続で路線価が上昇した富山市桜町1丁目駅前広場通り周辺

  ●県平均変動率31年連続下落

 金沢国税局は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年1月1日時点の路線価を公表した。富山県内最高価格は富山市桜町1丁目駅前広場通りで、2年連続で上昇した。都道府県庁所在地の最高地点では、上昇率が19位(前年12位)、価格は前年と同じ23位だった。富山駅周辺では、新型コロナウイルスの影響で需要が一時停滞していたが、インフラ整備やホテル開業が進み、土地需要が回復している。

 駅前広場通りは商業施設「マリエとやま」とバス・タクシーロータリーの間に位置する。価格は前年比2.0%増の1平方メートル当たり51万円で、変動率は前年と同じだった。都道府県庁所在地の最高地点のうち上昇したのは富山など29カ所だった。

 富山駅周辺では路面電車の「南北接続」や、それに伴う道路整備などで交通の利便性が向上。昨年から今年初めにかけてシティーホテル3棟が開業するなど需要が高まり、価格上昇につながったとみられる。

 県内4税務署管内の最高路線価は前年比で富山のみ上昇した。高岡、砺波は横ばい、魚津はマイナス3.2%となった。

 商業、住宅などさまざまな土地を含む「標準宅地」の平均変動率は富山県が31年連続下落のマイナス0.1%となり、前年の同0.4%から下落幅は減少した。石川県はプラス0.2%から同1.1%に上昇、福井県はマイナス0.9%から同1.0%に下がった。全国平均はプラス0.5%から同1.5%に上がった。

 前年と比較可能な富山県の標準宅地4058地点(前年4096地点)のうち、上昇は509地点(282地点)、横ばいは2790地点(2848地点)、下落は759地点(966地点)だった。

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