離島留学 生徒中心の支援を 長崎・壱岐で検討部会 態勢構築へ県教委が支援組織など提案

離島留学の在り方を話し合った検討部会=壱岐市石田町、石田農村環境改善センター

 長崎県と壱岐市の離島留学制度の課題や対策を議論する検討部会がこのほど、壱岐市内で開かれた。留学生を中心に据えた支援態勢を構築するため、県教委は同制度の目的の再定義や、求める生徒像、支援組織について提案。県立壱岐高のスクールカウンセラーを1人増員し2人態勢にするとした。
 県教委は、同校に留学した県外生徒が行方不明となり死亡した事案を受け、有識者らと同制度の課題を考える「これからの離島留学検討委員会」を4月に設置。壱岐、対馬、五島の3市に各検討部会を設け、課題を検証している。
 この日、壱岐市では3回目の会合が開かれ、県や市の関係者、地域団体、有識者、里親代表らが出席。県教委は同制度の再定義について「将来にわたり、里親、友人、島民とのぬくもりのある交流を生み出すことを目的とする」とした。
 求める生徒像については▽学校の特色をしっかりと理解している▽目的意識を持ち意欲がある▽集団生活に必要となる協調性や自立心が備わった生徒-とした。
 組織態勢については▽高校、県市、教委などでつくる離島留学推進協議会▽高校、市、教委、スクールカウンセラー、社会福祉士らでつくる離島留学支援会議▽保護者、里親、学校、市などでつくる里親連絡協議会の設置-を提案した。
 アンケートや聞き取りでは課題が浮かび上がっており、生徒のSOSをキャッチするための相談態勢や里親選定、生徒の受け入れ環境整備などについても話し合った。対策などは県の検討委員会に報告し、8月下旬ごろ結果が公表される。
 小中学生を対象にした市の留学制度「いきっこ留学」については、市教委が離島留学コーディネーター2人を加え9月以降、生徒の支援態勢づくりなどを協議する。

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