長崎県内の路線価 長崎市浜町が3年ぶりアップ 西九州新幹線開業で期待

長崎県内各税務署管内の最高路線価

 長崎税務署が3日に公表した2023年の長崎県内路線価(1月1日時点)によると、標準宅地の平均変動率は前年比プラス0.6%で、2年連続上昇した。1平方メートル当たりの路線価が最も高い長崎市浜町の浜市アーケードは、77万円で3年ぶりにアップ。諫早税務署管内の最高路線価は、諫早市本町のほんまち通りになって初めてプラス圏に入った。
 県内8税務署の最高路線価所在地はいずれも昨年と同じ。浜市アーケードは前年比プラス1.3%で横ばいからプラスに転じた。評価を担当した織田雅雄不動産鑑定士によると、新型コロナウイルス禍の行動制限が緩和され、客足が回復。西九州新幹線開業による観光客増加への期待や中心商業地としての安定した需要が上昇要因となった。
 諫早の最高路線価所在地は17年にほんまち通りに変わり、18年以降横ばいが続いていたが、初めて1.7%上昇。織田鑑定士は「西九州新幹線開通に伴う駅周辺の開発などで中心部が活性化した」と分析した。
 佐世保、島原、平戸、壱岐、厳原は前年から横ばい。壱岐は昨年までの23年連続の下落に歯止めがかかった。福江は前年比マイナス3.1%で28年連続の下落。下落は福岡国税局管内31署で唯一だった。
 路線価は県内の標準宅地3315地点などを調査し算出した。算出の基となる評価基準額が昨年より上昇した地点は、昨年の966地点から1104地点に増えた。県内路線価は国税庁のホームページで確認できる。 

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