【高校野球 広島大会・注目校紹介】亡き名将からつなぐ思い 「全員野球」で目指せ甲子園 崇徳高校野球部

高校野球 広島大会が、7月8日に開幕します。甲子園を目指す球児たちの姿を「つなぐ夏」をテーマに追います。今回は、崇徳高校(広島市)です。天国の恩師からつないだ思いとともに甲子園を目指します。

春・夏合わせて5回の甲子園出場を誇る崇徳高校野球部―。この夏の目標は、47年ぶりの甲子園の舞台です。

春の県大会では準決勝で広陵高校(広島市)に2対3で惜敗。センバツベスト4相手に147球の力投を見せたエース・片山翔太 は手ごたえと同時に課題も感じました。

崇徳高校 3年 片山翔太 投手
「自分のピッチングで全国クラスのバッターでもある程度、通用することがわかった。後半に点を取られる。(課題に)体力不足があったので、そこをもう1回、鍛え直そうと思いました」

夏の大会に向けて日々、成長を続ける崇徳野球部。ことしのチームについて聞くと、キャプテン・吉田祐大 をはじめ、出てくる言葉は同じでした。

崇徳高校 3年 吉田祐大 主将
「ベンチに入る20人だけでなく、チーム全員で甲子園を目指すという気持ちでやっています」

片山翔太 投手
「試合に出る9人だけでなく、スタンドにいる選手たちとか、相手の偵察に行ってくれる人も含めて全員で勝っていくチームです」

崇徳が掲げる「全員野球」―。そこには去年までチームを率いていた 應武篤良 さんの思いが込められていました。

應武さんは、崇徳高校の選手として春夏連続で甲子園に出場。1976年、春のセンバツでは元カープの 山崎隆造 さんらとともに全国制覇を果たしました。

現役引退後は、社会人野球や早稲田大学で監督を務め、2018年に母校の監督に就任。チーム全員で戦う「ALL崇徳」精神で甲子園を目指しましたが、去年、道半ばで亡くなられました。

しかし、その思いは選手たちにしっかりと受け継がれています。

崇徳高校 藤本誠 監督
「ことしの3年生は、應武監督と野球をやりたくて入学してくれた学年の子どもたちで、メンバーに入っていない子たちが本当に一生懸命がんばってくれて、そのおかげでメンバーの子たちも本番で力を発揮してくれているのかなと感じています」

この藤本監督の言葉を体現するかのようにひときわ大きな声で練習を外から盛り上げる選手の姿が…

3年生の 小國煌太郎 。夏のメンバーから外れ、選手としては引退。今は裏方としてチームを支えています。

崇徳高校 3年 小國煌太郎 さん
「裏方になって、くやしい気持ちもたくさんあるんですけど、それ以上に崇徳が勝ってほしいという気持ちが強いので、そのぶん、しっかり声を出してチームに貢献できるようにがんばっています。自分のポジションはキャッチャーなので、しっかりピッチャーの状態を見ながらピッチングを受けたりだとか、そういうところ、目配り・気配りでチームに貢献していると思います。3年間、一緒にやってきた仲間と甲子園に絶対出たいと思っているので、自分はスタンドですが、応援でがんばってもらいたいと思います」

悲願の甲子園へ、崇徳一丸となって迎えることしの夏。初戦は7月15日、一戦必勝で夏をつなぎます。

崇徳高校 藤本誠 監督
「應武監督が高校3年生のときに甲子園に行かれてから47年間、夏の甲子園から遠ざかっているということで、“ALL崇徳” で甲子園を目指してがんばっていきたいと思います」

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