上海機構、イラン正式加盟 中ロ、対米で団結誇示

2016年にインドで開かれた国際会合に参加した(左から)ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、中国の習近平国家主席(AP=共同)

 【ニューデリー共同】上海協力機構(SCO)は4日、オンラインで首脳会議を開き、準加盟国イランの正式加盟を承認した。民間軍事会社ワグネルによる武装反乱後初めて国際会議に参加したロシアのプーチン大統領は、SCO加盟各国が「憲法と国民を守るロシア指導部の行動を支持した」と団結を誇示。中国の習近平国家主席は米国の対中ロ制裁を批判し「戦略的な意思疎通と協力を強化すべきだ」として、加盟各国に安全保障面での一層の協力を訴えた。

 首脳会議は、イラン加盟について「歴史的意義」があると強調する共同声明を発表した。SCOは中ロが主導しており、反米イランを取り込むことで米国への対抗姿勢を強めそうだ。

 プーチン氏はウクライナ侵攻を巡り「わが国にハイブリッド戦争が仕掛けられ、不当で大規模な制裁が行われている」と米欧に責任を転嫁し、断固抵抗すると強調した。習氏は「保護主義や一方的な制裁、経済の切り離しに反対する」と語り、米国をけん制。「地域の長期的な安定は共通の責任だ」として連携の必要性を指摘した。

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