イスラエル軍引き揚げ開始 軍事作戦、近く終了へ

4日、イスラエル軍が引き揚げを開始した占領地ヨルダン川西岸のジェニンで、がれきに座る人(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍が占領地ヨルダン川西岸のジェニンで実施したパレスチナ武装勢力への大規模軍事作戦で、軍は4日夜、部隊が引き揚げを開始したと発表した。千人規模の地上部隊を投入し、空爆まで行った異例の軍事作戦は近く終了しそうだ。軍によると5日未明、自治区ガザからロケット弾5発が発射され、いずれも対空防衛システムが撃墜した。

 パレスチナ自治政府保健省は4日、軍事作戦によるパレスチナ人の死者がさらに2人増えて12人に上ったと発表した。イスラエル軍は武装勢力との戦闘中に兵士1人が死亡したと公表した。イスラエル側の死者は初めて。

 パレスチナ赤新月社は軍事作戦の主な舞台となった難民キャンプから約500家族が避難したと明らかにした。ジェニンの病院で活動する国境なき医師団(MSF)は「イスラエル部隊が数回、催涙弾を撃ち込んだため、緊急治療室が使えなくなった」との非難声明を発表した。

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