活動半世紀「石けん運動」の今は ピーク時70人も「60代が一番若い」 

長年作ってきた環境に優しい粉せっけんを手にする福澤会長(左)と西村さん=東近江市妹町・愛のまちエコ倶楽部

 1970年代に琵琶湖の環境を守るために始められた「石けん運動」を継承し、滋賀県東近江市妹町のあいとうエコプラザ菜の花館でせっけん作りを行う「愛のまちエコライフ」が高齢化に悩み、後継者育成に取り組んでいる。

 同団体は81年に旧愛東町の婦人会のメンバーで立ち上げられた。当初はごみの自主回収など環境保護運動を行い、その後、琵琶湖の赤潮が問題になっていたため、原因の一つだった合成洗剤の使用を止めようと、2000年ごろから、家庭の廃食油から環境に優しい粉せっけんを作る活動を続けている。

 ピーク時には約70人が活動に参加していたが、現在は9人で月1回、約60キロの粉せっけんを作っている。

 団体の西村喜代子さん(79)は「60代が一番若いかな。もっと若い人にも琵琶湖を守ることが、生活を守ることにつながることを知ってほしい」と訴える。現在は口コミで活動の趣旨を伝え、仲間を募っている。さらに活動を広めるため、粉せっけん作りで、家庭からの廃油とカセイソーダを釜でたく工程を紹介する見学会を初開催することを決めた。

 設立当初から参加している福澤ミヨ子会長(78)は「子どもや孫たちにきれいな琵琶湖を残そうとがんばってきた。環境問題に注目が集まっている今だからこそ、もう一度この活動に興味を持ってもらえれば」と願った。

 見学会は、あいとうエコプラザ菜の花館で7月6日、8月20日に開く。有料。粉せっけんは同館や、道の駅「あいとうマーガレットステーション」でも販売。申し込みは0749(46)8100。

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