「国境なき医師団」で活動の医師、世界の人道危機に理解求める 高校生に講演

国境なき医師団としての経験を語る小杉さん(舞鶴市浜・市総合文化会館)

 東舞鶴高は京都府舞鶴市浜の市総合文化会館で、全校生徒対象の国際教育講演会を開いた。国境なき医師団の一員として5カ国に派遣された福井県済生会病院の医師小杉郁子さん(55)が、経験や現地の写真を交えながら世界各地の人道危機について理解を求めた。

 小杉さんは日本の病院での勤務を続けながら2008年以降、数年おきに中東のイエメンやアフリカ東部の南スーダンなど内戦下の地域に数カ月滞在。外科医として負傷した市民の治療などに当たった。

 22日の講演では生徒約380人を前に、南スーダンで10万人以上が家を失い難民キャンプで暮らしてたことや、低栄養でやせ細った子どもが少なくないイエメンの実情を示し「不衛生な環境で生活せざるを得ない人がたくさんいる」と訴えた。

 質疑応答では、3年の生徒(17)が「危険な目に遭っても続ける理由はどこにあるのか」と尋ねると、小杉さんは「新しいことを知ったりいろいろな人と出会ったりできることが大きい」と語った。

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