作家・桐野夏生が「近年稀に見る傑作」と絶賛、鈴木涼美の第三小説『浮き身』がいよいよ刊行

桐野夏生が「近年稀に見る傑作」と評した鈴木涼美の第三小説『浮き身』が6月29日に株式会社新潮社より刊行された。 本書は著者の実体験を元に、00年代にデリヘル開業を目指した若者たちを描く青春小説。著者・鈴木涼美は今年デビュー10周年。『「AV」女優の社会学』『身体を売ったらサヨウナラ』『ニッポンのおじさん』等の社会学的な論文・エッセイ集の刊行を経て、昨年発表した小説第一作『ギフテッド』、第二作『グレイスレス』がともに芥川賞候補になった。続いて今年3月に第三小説「浮き身」を文芸誌「新潮」で発表。話題を集めている。 本書『浮き身』は、桐野夏生がPR誌『波』に激賞の書評を寄せ、作家・島本理生は「19歳の居場所なんて、無意味なほど良かった。本書を読み、思い出した。」と推薦する一作だ。

【書籍内容】

彼らが女を商品のようにしか扱えないのと同じで、私は彼らを子供を産ませる男か身体を買う男に峻別することしかできなかった──。十九年前の、デリヘル開業前夜の彼らとの記憶に導かれ、私はかつて暮らした歓楽街へ赴く。酷い匂いの青春はやがて、もうすぐ子供が産めなくなる私の、未来への祈りとなる。新たな代表作。

【著者紹介】

1983年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒。東京大学大学院修士課程修了。小説第一作『ギフテッド』が第167回芥川賞、第二作『グレイスレス』が第168回芥川賞候補。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『愛と子宮に花束を 夜のオネエサンの母娘論』『おじさんメモリアル』『ニッポンのおじさん』『往復書簡 限界から始まる』(共著)『娼婦の本棚』『8cmヒールのニュースショー』『「AV女優」の社会学 増補新版』などがある。

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