2021年の「コシヒカリ発言」をめぐり、静岡・川勝知事が給与やボーナスを返上していなかった問題で、波紋が広がっています。県には120件を超える苦情の電話やメールなどが寄せられています。
7月5日で4期目の任期が残り2年となり、折り返しを迎えた川勝知事。2年前の県知事選挙では…
(川勝知事)
「私は約束を必ず守ります、筋を通します」
県民に“約束を守る”と訴えていましたが、今週、自らが口にした「約束」を守っていなかったことが明らかになりました。
(川勝知事)
「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない、だから飯だけ食ってそれで農業だと思っている」
2021年の参院補選の応援演説で発した、いわゆる「コシヒカリ発言」。この発言をめぐり、県議会で知事に対する「辞職勧告決議」が可決されたことを受け、川勝知事は、その年の12月の給与やボーナス、約440万円を返上する意向を示していました。
(川勝知事)
「年末のボーナスとか12月の公給は全額県民の皆様にお返しする、返上する」
その後、知事は、返上に必要な条例案の提出を見送っていて、3日に公開された“去年の所得”で、給与やボーナスが返上されていなかったことが明らかになったのです。今回の問題について、川勝知事と対立する県議会の最大会派自民改革会議は…
(自民改革会議 増田 亨大 代表)
「辞職勧告の時は『辞職はしないが、知事として、職責を果たしていく』という意思表明でしたので、発言はやはり重みがあるし、有言不実行にならないように言ったことをしっかりと果たしていただく姿勢は見せていただきたい」
一方、川勝県政を支える第ニ会派の「ふじのくに県民クラブ」は…
(ふじのくに県民クラブ 田口 章 会長)
「給与を返上しようと思うと条例改正が必要になるが、その条例改正がいろんな経過の中で、提案ができなかったということだと思っている」「県民の皆さんにしっかり伝わってこなかったことについては、お詫びをした方がいいんじゃないかと」
約束したはずの「給与とボーナスの返上」を、何の説明もなく変更したことについて県民は…
(県民)
「ちょっと不信はあるよねなにやってんだろうなというのは率直に」「進退問題にも発展するんじゃないんですか」
(県民)
「その時期に(説明が)あれば納得できた人もいるんじゃないかと思う」
知事は4日、給与などを返上しなかった理由については答えませんでした。県には今回の問題について苦情の電話やメールなどが、午後2時までに128件寄せられているということです。川勝知事は県民が納得できる説明ができるのでしょうか。