小学校の敷地に放課後クラブ 大船渡、東北初の移設可能な施設

開所を祝う越喜来小の児童と関係者

 大船渡市三陸町の越喜来(おきらい)小敷地内に、おきらい放課後児童クラブ(登録人数19人)の施設が開所した。解体せずに移設できる「モバイル建築」を採用。平時は同校の子どもたちが過ごし、災害時には避難所や応急仮設住宅などに転用する。東日本大震災の教訓を踏まえ、備えを強化する。

 施設は日本モバイル建築協会(長坂俊成代表理事)に参画する住宅メーカー、一条工務店(東京都)が製造。企業版ふるさと納税の制度を活用し、一式を市に寄贈した。木造ユニット五つを組み合わせた平屋(約140平方メートル)で、児童が過ごすプレイルームのほか、事務室や休憩室などがある。

 モバイル建築は、迅速な移設を繰り返し行うことができる構造で、トラックなどで目的地に輸送できる。活用は全国11自治体目で、同協会によると東北初。震災後の約10年間、大船渡市の復興計画委員会のメンバーだった長坂代表理事は「被災経験のある自治体が助ける側になれるように、モバイル建築のより一層の普及を目指す」と意気込んだ。

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