京都・祇園祭で見物客魅了の提灯、真っ盛り 注文もコロナ前並みに

大小さまざまな提灯が所狭しと積み上げられた作業場(京都市下京区・奥川提燈店)

 祇園祭の夜を照らす提灯作りが最盛期を迎えている。江戸中期創業の「奥川提燈(ちょうちん)店」(京都市下京区)では、注文数が新型コロナウイルス禍前に戻りつつあり、職人たちが仕上げに熱を入れている。

 同店では、5月初めごろから8人の職人が制作を始め、6月中旬から最盛期に入った。昨年の注文数は1500個ほどだったが、今年は約2700個を納品する予定という。

 作業場では、竹や針金の骨組みに和紙が貼られた提灯に、職人たちが黙々と筆を走らせ、文字や紋などを入れていた。8代目店主の奥川忠司さん(68)は「提灯の明かりの下をたくさんの人が歩いてくれるのはうれしい」と笑顔を見せた。作業は20日ごろまで続く。

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