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福井県鯖江市教育委員会は7月5日、市内の古墳で約50年前に行われた発掘調査の出土品2点が、北陸で出土例のない鉄製の鈴「鉄鐸(てったく)」であることが分かったと発表した。6世紀の古墳時代後期、朝鮮半島から渡来したものとみられる。九州や近畿で多く見つかっているが、北陸で出土が確認されるのは今回が初となり、研究の進展に期待がかかる。
鉄鐸は、祭祀に用いられた道具の一種。似たものに、主に弥生時代に作られた青銅製の「銅鐸」がある。鉄板を折り曲げた円すい形で、内部に「舌」と呼ばれる、音を鳴らすための棒が付けられている。
今回判明した2点は、ともに全長約7センチ、開口部の直径約3センチ。1971年ごろの発掘調査で、鯖江市立待地区の入町周辺に分布する天神山古墳群三ツ禿(みつはげ)支群から出土し、当時は、やりや矛の刃と反対の部分を指す「石突き」らしきものと推定されていた。
しかし昨年、同市学芸員の森田真史さん(28)が、今夏の企画展に向けて史料を見返していた際、石突きにあるはずのない「舌」の構造に気づき、改めて調べ直した。その後、複数の考古学者の助言を踏まえて鉄鐸と認定した。
鉄鐸は、日本で鉄の精錬技術が未発達だった時代の遺跡からも見つかっており、朝鮮半島との交流や日本の鍛冶技術者の出自、系譜などを考える上で重要と考えられている。特に古墳時代の鉄鐸は、これまで九州や近畿、関東などで計約140点が出土しているが、北陸では確認されておらず、建物遺構などを除く古墳からの出土は、北信越でも初めてという。
森田学芸員は「空白地帯での出土確認は考古学の進展にとっても重要で、これまでの理解が大きく変わると思う」と指摘した。
⇒鉄鐸の発見について記者会見で説明する森田学芸員
2点の鉄鐸は、7月29日~9月3日に同市まなべの館で開かれる夏の企画展の会場で展示される。
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