離島に残された大雨の爪痕 3度目土砂崩れ被害に「またか…」 かんきつ農家の悲痛な訴え

6月30日から降り続いた大雨の影響で、愛媛県松山市沖の興居島(ごごしま)では、高級かんきつ「せとか」の木などが土砂に埋まり、度重なる被害に生産者は途方に暮れています。

ーーこれは多分ダメです。多分折れています。

興居島のかんきつ農家・能田英文さん。
先週末の大雨で「せとか」の木、およそ10本が土砂に埋まってしまいました。

(能田さん)
「言葉がないです。結局“またか”です」

ーー”またか…”

実は大雨による土砂災害は、2018年7月の西日本豪雨、行政支援による復旧工事前の2020年7月に続いてこれが3度目。
そして、おととしに復旧し対策が施されたにも関わらず、今回、3度目の悲劇に見舞われます。

土砂は能田さんの園地の上にある畑から流れ込んでいました。
上の畑はほとんど放置された状態で、行政支援による復旧工事の対象外だということです。

(能田さん)
「今回みたいに3年経たずにこういうふうになるということは、どこかに原因があると思う。それを行政のほうには検証してもらいたい」

大きく削れた山の斜面。土砂に埋まる畑や道路。被害は島のいたるところで確認されました。

農業用の倉庫が無残な姿に…所有者でかんきつ農家の男性は、土砂崩れの瞬間を目撃していました。

(倉庫所有者の農家)
「この園地に来たのが早朝の5時半頃だった。最初、石がパラパラパラと落ちてくる音が聞こえて、10秒か15秒くらいしたら「ゴォー」という音とともに土石流、流木が流れてきて」

男性は避難し無事でしたが、倉庫に加えミカン畑なども大きな被害を受けました。

(倉庫所有者の農家)
「被害が大きすぎて地域だけでは十分にできない規模。行政の方々の意見を聞きながら前向きにこれから仕事ができるような形をとっていければ」

梅雨の時季は大雨による災害が発生しやすいうえ、明ければ台風シーズンに…不安はしばらく続きます。

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