63メートル・140トンの橋げた落下 2人死亡事故 なぜ事故は起きたのか…原因について専門家に聞く (静岡市清水区・静清バイパス)

なぜ事故は起きたのでしょうか。その原因について、橋の構造に詳しい専門家に聞きました。

静岡市清水区の清水インターチェンジ付近は、東名高速、国道、バイパスが集中する区間で、長年、交通渋滞の解消が課題となってきました。このため、国土交通省は、2016年から清水インターチェンジ付近の2.4キロを高架化する事業を進めていて、「上り」は2026年春ごろに開通予定でした。

橋脚の上で橋げたを移動させる「横取り」と呼ばれる作業中に起きた今回の事故。「横取り」という作業について、橋の構造などに詳しい静岡理工科大学の冨永知徳教授は…

(静岡理工科大学 土木工学科 冨永知徳 教授)

「上で橋げたを組んで端に持っていく時に起きた事故、最終的にはクレーンでつって、『支承』の上に下ろそうとした工法だったと思う」

その上で、事故原因について、橋げたの落下を防止するためなどに設置する「セッティングビーム」が壊れているのが、大きな原因だと指摘します。

(静岡理工科大学 土木工学科 冨永知徳 教授)

「落ちているげたに、セッティングビームが見当たらない」「見えている灰色の部材がセッティングビームだと思うが、壊れている」「落ちてしまったことが一番の要因、これだけきれいに落ちてしまうと、セッティングビームが壊れていないと落ちていない」「いろんな事情が重なって起きている」

一方で、今回の工事で使われている工法自体は一般的なものだといいます。

(静岡理工科大学 土木工学科 冨永知徳 教授)

「周囲に土地がない場合や、道路を越えて大きいものをつったりしたくないときに、こういう工法がよく使われる」「安全になるようにはやっている、事故が起きるのであれば、こういう時が多いというような作業」

一般的な工法で行われた工事にもかかわらず事故が起こったことについては…

(静岡理工科大学 土木工学科 冨永知徳 教授)

「非常に不幸な事故、今までの事例に学んでいなかったケースか、知られていなかった事象かはわからない」「事故自体はあってはならないもの、関係者は絶対起こらないように頑張っている、完ぺきではないということでしかない」

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