日本人選手も!「バルセロナを出て成功した」下部組織出身のスター選手9名

世界でも屈指の育成能力を持っているバルセロナ。確固たるクラブの哲学を持っており、それをベースにした選手が数多く輩出されている。

今回は『Squawka』から「バルセロナのDNAを持ちながら外で成功を収めた下部組織出身のスター」をご紹介する。

マウロ・イカルディ

所属したクラブ:サンプドリア、インテル、PSG、ガラタサライ

かつてインテルで恐るべき気まぐれなストライカーとなっていたマウロ・イカルディ。それからパリ・サンジェルマンでも活躍を見せ、現在はトルコの名門ガラタサライへと貸し出されている。

トップチームでの経験はないものの、彼はアルゼンチン出身ながらバルセロナの下部組織でプレーしたことがある。ジョゼップ・グアルディオラ監督政権下で加入し、2年の所属期間中に成長を見せたものの、トップチームはメッシを頂点にした「偽9番」が使われており、彼が昇格することはなかった。

そしてサンプドリアへと移籍してイタリアでキャリアを復活させ、その後インテルで大ブレイクを果たすことになる。

エクトル・ベジェリン

所属したクラブ:アーセナル、ワトフォード、ベティス、バルセロナ、スポルティングCP

後にバルセロナへと戻ることになったエクトル・ベジェリン。ユース時代にラ・マシアを飛び出し、アーセナルの下部組織へと移っていったという経験を持っている選手だ。

バルセロナではウインガーとしてプレーしたが、16歳で移ったアーセナルでサイドバックに転身。マテュー・ドゥビュシの怪我で若くしてチャンスを獲得すると、世界屈指の快速選手として確固たる地位を築いた。

ただ20代後半に差し掛かって怪我が増加したこともあり、アーセナルを離れてからはなかなか継続的に活躍できていない。

ペペ・レイナ

所属したクラブ:ビジャレアル、リヴァプール、ナポリ、バイエルン、ミラン、アストン・ヴィラ、ラツィオなど

彼の場合はトップチームでもプレーしたものの失格と判断されたという選手だ。下部組織から若くして昇格し、レギュラーポジションで試されたものの、そのプレッシャーと要求に耐えることができずに放出されてしまったのだ。

しかしながらその後ビジャレアルで大復活を遂げ、そしてリヴァプールなどビッグクラブで活躍。陽気な性格もあってスペイン代表ではサブキーパーとしてチームをピッチ外から支えていた。

晩年になってもアストン・ヴィラやラツィオでプレーし、そしてバルセロナではなく愛するビジャレアルへと復帰している。

ミケル・アルテタ

所属したクラブ:PSG、レンジャーズ、レアル・ソシエダ、エヴァートン、アーセナル

エヴァートンとアーセナルで長く活躍した中盤のコントロールタワーは、かつてバルセロナの下部組織をドロップアウトしてしまった選手だった。守備的MFとしてプレーしていたものの、ときはジョゼップ・グアルディオラの全盛期。そして同年代にはチャビ・エルナンデスがいた。

そのためPSGへとローン移籍することになり、そしてレンジャーズとレアル・ソシエダを経てイングランド・プレミアリーグで才能を開花させたのだ。そして今は監督としてアーセナルでその頭脳を発揮している。

来季はバルセロナの先輩グアルディオラ、PSGの元同僚ポチェッティーノと指導者としてしのぎを削ることになる。

アダマ・トラオレ

所属したクラブ:アストン・ヴィラ、ミドルズブラ、ウォルヴァーハンプトン

ベジェリンと同じように、後にバルセロナへと戻ってきたアダマ・トラオレ。しかしセスク・ファブレガスらの例に漏れず、満を持しての復帰というのは成功しないものである。

バルセロナのアカデミーでは細身のウインガーとして知られていた彼は、トップで数試合に出場した後にイングランドへと渡った。そしてミドルズブラで2部を経験したことにより、筋肉という新しい武器を身に着けた。

そしてウォルヴァーハンプトンでは世界最強の重戦車としてブレイクを果たしたものの、2022年にバルセロナに復帰したころからペースを崩し、今夏はフリーエージェントになっている。

アレックス・グリマルド

所属したクラブ:ベンフィカ、レヴァークーゼン

バレンシアの下部組織でキャリアをスタートさせ、12歳でバルセロナに移籍してきたグリマルド。わずか15歳でBチームにデビューして最年少記録を樹立し、新たな左サイドバックとして有望視された。

正確なクロスやフリーキックによって評価を高めたものの、バルセロナではトップに昇格できず。2015年にベンフィカへと移籍し、ポルトガルリーグで世界屈指の攻撃的ディフェンダーとして立場を確固たるものにした。

何年もの間ビッグクラブへの移籍が噂されてきたが、今夏はバイヤー・レヴァークーゼンへの加入が決定。ドイツ・ブンデスリーガでプレーする予定だ。

アンドレ・オナナ

所属したクラブ:アヤックス、インテル

あのサミュエル・エトーが設立した財団の支援を受けてバルセロナの下部組織に加入したゴールキーパー。ユースレベルで活躍したもののトップには上がれず、OBのマルク・オフェルマルス氏の誘いでアヤックスへと移籍することになった。

当初はそちらでもリザーブ登録であったが、ヤスパー・シレッセンのバルセロナ移籍で空いたポジションに抜擢されると、その圧倒的な反射神経と攻撃能力によってレギュラーを奪取。チャンピオンズリーグでも活躍を見せた。

ドーピング違反によって出場停止処分を受けたこともあったが、後にインテルへのステップアップを果たし、昨季もチャンピオンズリーグ決勝進出に大きく貢献している。

久保建英

所属したクラブ:FC東京、横浜F・マリノス、レアル・マドリー、レアル・ソシエダなど

久保建英はレアル・ソシエダのシーズン最優秀選手に選ばれたセンセーショナルなシーズンを過ごした。2022年にレアル・マドリーから完全移籍で加入し、そのキャリアのターニングポイントを迎えた。

しかし彼が元々所属していたのはバルセロナだ。8歳の久保建英はバルセロナのサッカーキャンプでMVPを獲得し、川崎フロンターレのユースから移籍。ラ・マシアで頭角を現したものの、国際移籍規定の問題で日本へと戻った。

そして18歳になった彼を射止めたのはレアル・マドリーであり、彼の才能を開花させたのはレアル・ソシエダだった。バルセロナは今や後悔しているに違いない。

セルヒオ・ゴメス

所属したクラブ:ボルシア・ドルトムント、ウエスカ、アンデルレヒト、マンチェスター・シティ

今マンチェスター・シティでローテーションの一角を担っている若手選手のセルヒオ・ゴメス。彼はボルシア・ドルトムントでほとんどプレーできずにウエスカへのローン移籍で開花し、さらにベルギーのアンデルレヒトを経てイングランドへやってきた。

ただ実は彼がもともと育ったのはバルセロナの下部組織であり、2010年から2018年まで長く所属していた。そのためジョゼップ・グアルディオラとはその時から同じチームだったのだ。

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バルセロナで成功の道筋を掴むことができなかった彼がグアルディオラの下で復活しているというのはロマンを感じさせる。

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