どう付き合う?チャットGPT 長崎北高生、ガイドライン作りに挑戦 使い方を実験・検討

自ら考えたチャットGPTの活用方法を発表し合う生徒=長崎市、長崎北高

 対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を学校の授業や日常生活でうまく使うにはどうすればよいか-。長崎県長崎市小江原1丁目の県立長崎北高(平山啓一校長)で3日、2年生約40人が活用のガイドライン作成に挑戦した。
 同校は既に英語学習にチャットGPTを取り入れ、生徒が自由英作文の添削に使い参考にしている。今回の試みも上村洸貴教諭(34)が英語の授業で担当。生徒は2人一組で、あらかじめ実際に使ってみて、メリットとデメリットを踏まえて考え、この日発表した。
 ある男女ペアは、英語の長文読解など正解がある問題であれば、チャットGPTが解説付きで詳しく回答したと紹介。だが「宿題をほとんど任せてしまえる。それでいいのか」と意見を求めると、答えられなかったといい「これ(意見を発すること)が私たちに求められる」と強調。正解がない問題こそAIに手伝ってもらいながら、自分で考える力を身に付けることを提案した。
 別の男女ペアは、チャットGPTに「好きな同級生を振り向かせる方法」を質問。その回答通りに行動しても成功しなかった-という架空の寸劇を披露し、変則的なことに対応できないデメリットを問題視。「情報をうのみにせず、参考として活用しよう」と訴えた。
 別のペアは、問題を避けるため、使用する時間や対象学年の制限を主張。ほかにも「(回答文を)言葉遣いの手本にする」「学習外でも使用し慣れる」などの意見が出された。
 ガイドラインを発表し合った後、AI活用の賛否についてチャットGPTと英語で討論もした。音声入力で正確なやりとりができなかったことも踏まえ、上村教諭は「便利さを最大化するためにはルールが必要。(チャットGPTに)賛成か反対かだけではなく、中間に視点を置いてほしい」と呼びかけた。
 才木みづほさん(16)は「いいところも悪いところもある。まだ自分たちでも質問の仕方が分かってない。使っていく上で力を身に付けていきたい」と話した。
 学校現場における生成AIの使用については、文部科学省が4日に暫定版ガイドラインを公表した。

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