金峯山寺で蛙飛び行事、奈良 世界遺産の蔵王堂で奇祭

金峯山寺蔵王堂で行われた奇祭「蓮華会・蛙飛び行事」=7日午後、奈良県吉野町

 世界遺産の金峯山寺蔵王堂(奈良県吉野町)で7日、修験道の開祖・役行者と本尊・蔵王権現の威徳をたたえる奇祭「蓮華会・蛙飛び行事」があった。着ぐるみでカエルに扮した男性が、人の姿に戻るまでの様子が演じられた。

 本尊と修験者を侮辱し、断崖絶壁に置き去りにされた男が反省したことから金峯山寺の高僧が男をカエルの姿に変えて救出し、本尊の前で読経して人に戻すという伝説に基づく。600年以上続く伝統行事。

 カエル役を20年ほど務めている団子店経営の橋本英之さん(56)は「今年も大役を無事に終えられ、感謝の気持ちでいっぱい」と話し、今後も健康で元気に行事を引き継いでいきたいと語った。

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