【早川謹弘さん(早亀食堂 / オーナー)】ローストビーフ丼を新潟グルメの定番に

早川謹弘さん(早亀食堂 / オーナー)

【プロフィール】
早川 謹弘(はやかわ のりひろ): 新潟市中央区出身。東京の大学を卒業後、焼肉チェーン店に就職。現場から人事まで幅広く経験し、新潟へUターン。調理師免許を取得し、フレンチレストランやカフェで料理人としての経験を積む。その後は、家業の作業員専門宿泊業へ戻り、並行して「早亀食堂」をオープン。こだわりの「ローストビーフ丼」と「ハンバーグ定食」をリーズナブルに提供している。

ガタチラスタッフ:『新潟人158人目は、「早亀食堂」オーナーの早川さんです!
オープンしてから連日行列のできる人気店♪メイン料理の「ローストビーフ丼」と「ハンバーグ定食」はおいしいのはもちろん、リーズナブルな価格も魅力です!そんな「早亀食堂」をオープンするきっかけやお店に込めた想いなどを聞きしました!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』


作業員専門の宿泊施設に食堂を併設

──お隣にある「宿舎早亀」は、家業なのでしょうか?

早川さん:祖父の代から「宿舎 早亀」という建設等の作業で長期滞在する作業員さん専門の宿泊施設を営んでいます。1泊2食付で6,700円です。肉体労働の方ばかりなので、ハンバーグなどの肉料理、焼き魚を中心に、ボリュームのある食事を提供しています。現在も食堂と宿泊施設を掛け持ちで営業しているので、食堂も不定休にさせていただいています(笑)。

──料理人を目指したきっかけは何ですか?

早川さん:「料理の鉄人」をはじめ、料理マンガが大好きで飲食業界に興味を持ちました。東京の大学に進学し、飲食店のチェーン経営を学ぶために、卒業後は焼肉チェーン店に就職したんです。店長としての店の運営・管理や人事採用など、様々な経験をさせていただきました。人事の仕事も面白かったのですが、当初の目標とは路線が別になってしまったので退職したんです

──それから新潟へUターンされたのですね!

早川さん:新潟に戻ってからは、調理を学ぶ為に調理師専門学校へ1年間通いました。調理師免許を取得し、卒業後はフレンチレストランで修行していたのですが、しばらくして古町にある系列のカフェで店長を任されたんです。当時はカフェ文化があまり浸透しておらず、価格帯も少し高めだったのでお客様の来店は多くありませんでした。その後、近くに専門学校ができたことをきっかけに、料理長と相談し、“リーズナブルに楽しめる店”にお店の路線を変えたら、これが上手くいったんです!

──具体的にはどう変えられたのですか?

早川さん:フレンチシェフが手を掛けて作ったサンドイッチやプリンを100円で提供したり、料理の質を落とさずに価格帯を安くしたりしました。その結果、お客様が目に見えて分かるくらいに増えたんです。“手が届く範囲で良いものを”というのが、多くのお客様が求めていることだと思うので、その時の経験が今に生きています。

店内

コロナ禍をきっかけに食堂をオープン

──「早亀食堂」を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

早川さん:宿泊業を切り盛りしていた母親の体調不良をきっかけにカフェを退職し、家業を手伝うことにしました。しばらく順調にいっていたのですが、新型ウイルス禍に入り、宿泊客が大幅に減ったんですよね。新潟の経済全体も下降気味になり、「どうせ追い詰められるなら、好きなことをやろう!」と考え、もともとやりたかった食堂をオープンすることにしました。

──「ローストビーフ丼」と「ハンバーグ定食」の2品の柱にしたのはなぜですか?

早川さん:家族旅行で食べた「ローストビーフ丼」が美味しくて、自分でも作りたいと思ったんです。新潟ではローストビーフ丼をプレートで提供している店がほとんどだったので、丼タイプの「ローストビーフ丼」と宿舎の料理で評判の良かった「ハンバーグ」の2品で勝負することにしました。

ローストビーフ丼

──メニューを2品に限定した理由は何ですか?

早川さん:メニューを絞り込むことで訴求力が上がり、お客様が「あの店にローストビーフ丼を食べに行こう」「ハンバーグならあのお店へ行こう」と目的意識を持って来てくださいます。それが当店の戦略です。価格が高いイメージがある「ローストビーフ丼」を、クオリティはそのままにリーズナブルな価格で提供することを大切にしています。

──リーズナブルな上に本格的なローストビーフ丼が食べられると、何度も行きたくなります!(笑)

早川さん:何度もリピートしていただいたり、行列ができて毎日完売するくらいで利益が出る価格設定です(笑)。高い価格で限られたお客様に来ていただくよりは、安くてもたくさんの方に食べていただきたいですね。「ローストビーフ丼」もラーメンのように、新潟の定番にしたいと思っています!

──ラーメンに並ぶ、新潟のご当地グルメですね!

早川さん:新潟は“ラーメン王国”と言われていますが、やはりお米だと思うんですよね。県外の方は新潟に来ると、お米の美味しさを一番味わえる「塩おにぎり」を食べる人が多いそうです。お米のおいしさが当たり前になっている新潟の人に、お米をもっとアピールしたいという想いもあって、ご飯メニューをメインにしたいと考えました。「ご飯ものの地域一番店」になりたいですね。

ローストビーフ丼

地域一番店を目指して

──新潟市の中心部に近い場所とは思えないほど、緑が豊かなお店ですよね。

早川さん:住宅街で人気のあるエリアですが、私が子供の頃は田んぼが多くあったんです。今は住宅が増えて田んぼもなくなりましたが、店は大正ロマン風のレトロなイメージにして、里山のような緑たっぷりのこの敷地のロケーションとマッチさせようと考えました。

──レトロなオシャレさもありながら、なんだか落ち着く雰囲気ですよね♪

早川さん:そう言っていただけると嬉しいです!たくさんの人に「また来たい!」と思ってもらえる居心地の良さを目指して作りました。週3回はラーメン店へ行く人が、「週1回は早亀食堂でご飯を食べよう」という気持ちになって欲しいというのが願いです。カフェでの経験を生かして、見た目も楽しいクリームソーダもメニューに取り入れているので、老若男女を問わず楽しんでいただけると思います。

<クリームソーダはメロン・桃色・空色(各550円)のほか、期間限定メニューも登場>

──すでにリピーターの方も多そうですね!

早川さん:2日連続や毎週来られるお客様もいて、美味しいと言う言葉を聞くたびに「オープンして良かったな」と思います!当店のローストビーフは柔らかいので、年配の方も食べやすいというお声をいただきます。どの年代の方も同様に美味しいと思える味つけを心がけていて、塩糀や越後味噌、岩船産コシヒカリなどの食材を使い、新潟ならではの味を出しています。

──最後に、今後の目標を教えてください!

早川さん:オープンしてから4ヵ月しか経っていませんが、まずはこの状態を1年間維持して、定着させるのが目標です。先を見れば、たくさん目標はありますが、まずは「地域の一番店」を目指していきます!ありがたいことに、お客様のSNSなどから県外のお客様も少しずつ増えてきています。タレカツ丼やラーメンのように、ローストビーフ丼が東京とは違う「新潟グルメの定番」として認知されるように、これからも美味しくてリーズナブルな「ローストビーフ丼」と「ハンバーグ定食」を提供していきたいと思います!

店舗外観

早亀食堂
住所:新潟市中央区網川原2-29-8
営業時間:11:30~15:30(L.O.15時) ※但し商品なくなり次第終了
定休日:不定休 >>>詳細はインスタグラムをチェック

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