ウクライナ反転攻勢、苦戦 ロシア軍抵抗、奪還領土わずか

黒海の要衝ズメイヌイ島を訪れたウクライナのゼレンスキー大統領。大統領府が8日公開した(ロイター=共同)

 【キーウ共同】ロシアのウクライナ侵攻開始から8日で500日となった。ウクライナは6月上旬に反転攻勢に乗り出したが、地雷原や砲撃などロシア軍の激しい抵抗に阻まれて苦戦する。進軍は想定より遅く、反転攻勢後に奪還した領土はロシア占領地域の0.1~0.2%にとどまる。ウクライナは空軍力で劣り、空爆の犠牲を抑えるため戦力を温存。強力な欧米供与兵器の到着を待ち、ロシアの防衛線突破を狙う。

 米国防総省は7日、殺傷能力が高いクラスター(集束)弾をウクライナに供与すると発表した。非人道性が強い兵器だが、反転攻勢を後押しするために必要だと判断し、慎重姿勢を転換した。人権団体は反発している。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、侵攻500日に合わせ、ロシア軍に一時占領された後、昨年6月に解放を宣言した黒海の要衝ズメイヌイ島を訪れた動画を公開した。

 ロシアはウクライナの領土の2割弱に当たる約10万平方キロを占領し、ウクライナ軍は5日、反転攻勢開始以降、9集落の160平方キロを奪還したと表明した。

© 一般社団法人共同通信社