〈日本リーグ・富山ドリームス〉初陣黒星も夢膨らむ ハンド男子王者豊田合成に奮闘、16―35

試合前にハイタッチする富山ドリームスの選手=愛知県稲沢市の豊田合成記念体育館

  ●愛知で試合

 ハンドボール日本リーグ男子に今季から参戦の富山ドリームスは8日、愛知県稲沢市の豊田合成記念体育館で開幕戦を迎え、4連覇を狙う豊田合成ブルーファルコンに16―35で敗れた。初陣を勝利で飾ることはできなかったものの、王者相手に善戦した。吉村晃監督は「心を熱くするような試合ができたんじゃないか」とうなずき、チームの夢が膨らむ一戦となった。

  ●吉村監督「心熱くできた」

  ハンドボールで多くの人に幸せをもたらす。そんな大きな夢を掲げた富山ドリームスの挑戦が始まった。

 全13チーム中、平均年齢が23.2歳と最も若いチームは敵地で強豪に全力で立ち向かった。前半は相手の猛攻に押され失点が続いたが、後半はGK髙木アレキサンダー選手(富山銀行)の好セーブで踏ん張った。

 ベンチ入りメンバー全員がコートに立ち、赤井翔馬選手(山辺事務機)と仲舟井裕貴選手(氷見伏木信用金庫)がチーム最多の3得点。最年長の28歳・庄司清志選手(トライ・プリント)はシュートを決めると中継カメラに向かって力強くガッツポーズし、「パブリックビューイングで見てくれている人たちに向けてやりました」と氷見からの応援を力に奮闘した。

 収穫の多い敗戦だった。赤井選手が「攻守でやろうと決めたことは通用した」と振り返れば、髙木選手は「楽しくプレーできた。個人的には自信が持てた」と手応えをつかんでいた。

 「よく頑張った。予想以上によくやれた」。試合後、指揮官は充実感たっぷりの表情でこう口にした。反省点も課題も山積みだが、「高校までの目線しかなかった氷見の人たちに、トップチームの世界をお見せすることができた。氷見のハンドボールの発展へ意味合いは大きい」とかみしめた。

 富山ドリームスは15日午後2時から、氷見市ふれあいスポーツセンターでトヨタ車体ブレイヴキングスとホーム初戦に臨む。

  ●篠田氷見副市長と妻・紺野美沙子さん観戦 県内ファンと一緒に声援

 会場では富山県から駆け付けたスポンサーやファンが声援を送った。氷見市の篠田伸二副市長は妻で俳優の紺野美沙子さんとスタンドで観戦し「希望の持てる試合だった。ハンドボールのまち氷見にとっても歴史的一日」とたたえた。初めて富山ドリームスの試合を見た紺野さんは「チームワークも良くて、大健闘していたと思います」とにこやかに語った。

果敢に攻める赤井選手
シュートを放つ仲舟井選手

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