ほろ苦い風流な一杯 京都・三室戸寺で「蓮酒」

ハスの葉を杯にして酒を味わう参拝者(宇治市莵道・三室戸寺)

 ハスの葉を杯に見立て、茎を通して酒を味わう「蓮(はす)酒を楽しむ会」が8日、京都府宇治市莵道の三室戸寺であった。参拝客らはハスに包まれた境内で、風流な一杯を堪能した。

 境内では、本堂前でハス約100種を250鉢ほど育てている。白やピンクの花が咲く中、参拝者たちは日本酒が注がれたハスの葉を高く上げ、茎を吸ってゆっくりと味わっていた。

 同寺によると、蓮酒は中国で始まった。「碧筒(へきとう)杯」や「象鼻杯」とも呼ばれ、葉が茎とつながっている部分に穴をあけて酒を飲むことでハスの風味を味わえる。ほろ苦い樹液が夏の疲れを癒やし、撥水(はっすい)性のある葉の表面を転がる酒の滴を見て涼を取る行事として伝えられたという。

 大学時代の友人と一緒に訪れた女性(41)=京都市左京区=は「健康祈願しようと参加した。とてもおいしく飲めた」と笑顔を見せた。

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