大西結花が語るスケバン刑事の過酷ロケ「泳げないのにボートに繋がれ極寒の海へ…」

『スケバン刑事Ⅲ』で折り鶴が武器の風間三姉妹・長女を演じた大西結花

青春時代に夢中になったドラマの裏には私たちの知らない“ドラマ”がいっぱい。出演者ご本人を直撃し、今だから話せるエピソードをこっそりお届け!

【『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』(フジテレビ系・’86~’87年)】

『スケバン刑事』シリーズの3作目。主人公が使う鉄のヨーヨーと次回予告の口上「てめえら、許せねぇ!」(第1作)、「おまんら、許さんぜよ」(第2作)、「せからしか!」(第3作)がブームに。

「スケバン刑事の武器といえばヨーヨーですが、私の武器は折り鶴で、最初にプロデューサーさんから説明を受けたときは“これで本当に戦えるの?”と思いました。リリアンが武器だった妹役の(中村)由真は『ほかの武器に変えてほしい』と直談判したそうです」

こう振り返るのは、大西結花さん(54)。『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』では、浅香唯、中村由真と共に“風間三姉妹”を演じた。

「唯とは歌手デビューが同じ年だったから、歌番組やイベントで顔を合わせることがありました。由真はひとつ年下で、スケバン刑事がデビュー作。初顔合わせのときのあいさつも消え入るような声でした。後から聞いた話だと“先輩2人にいじめられる”とびびっていたようです(笑)」

ところが、撮影が始まると一緒に過ごす時間が長く、すぐに打ち解けた。

「楽屋ではメーク道具の話をしたり、和気あいあいとした雰囲気でした」

■爆発シーンの音と爆風は予想以上の強さ

忘れられないのが、笑いがこらえられず、何度もNGを出してしまったこと。

「2~3回ならスタッフも笑って許してくれますが、4回、5回となると空気も変わってきて……。私と向き合っている唯と由真は、私が笑わないようにうつむいてくれるんですが、笑うのを我慢して鼻が膨らんだり、唇が震えたりしちゃって。結局17回もNGを出してしまいました」

体を張ったアクションも、3人で挑戦した。

「第1話に、三姉妹が帰宅する直前で自宅が爆発するというシーンがあるんです。爆破のタイミングは聞かされていましたが、いざ本番となると、音と爆風が予想以上の強さ! 放送された映像では、3人とも呆然とした表情になっていたはずです(笑)」

極寒の海でアクションに挑戦したことも。

「泳げないのに、ボートにロープでつながれて、引っ張られたり(笑)。スタントマンはいたのですが、できるだけ自分たちでアクションシーンに挑戦していたから、生傷が絶えませんでした。歌番組に出るときの衣装がノースリーブだったりすると、青あざを隠すために上着を1枚羽織ったりしていたんです」

1年間の放送を終えたころには、“三姉妹”の絆も強まったという。

「由真は結婚してアメリカに移住。1年に一度ほど帰国するときには、必ず3人で集まってご飯を食べに行きます。仕事の仲間というよりも、もはや本当の姉妹のような感覚ですね」

【PROFILE】

大西結花

’68年、大阪府生まれ。’84年にテレビドラマ『家族の晩餐』でデビュー後、歌手としても活躍。6月25日、自身のSNSで風間三姉妹が集結したことを報告した

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