ハイパーカーに加えLMGT3も。アイアン・リンクス、2024年WECにランボルギーニ・ウラカンを投入へ

 2024年、WEC世界耐久選手権のLMGT3カテゴリーに、ランボルギーニを代表するチームとしてアイアン・リンクスが参戦する方向であることが分かった。アイアン・リンクスは同じく来季より最高峰ハイパーカークラスに、ランボルギーニの新型LMDh車両でエントリーすることになっているが、合わせてGTカテゴリーでの活動も継続する形だ。

 イタリア籍のアイアン・リンクスは2023年シーズン、LMGTEアマクラスに2台のポルシェ911 RSR-19を投入している。

 7月頭に行われたクライドストライク・スパ24時間レースの会場でインタビューに応じたランボルギーニ・モータースポーツのボス、ジョルジオ・サンナは、WECにフル参戦するマニュファクチャー1社あたり2台までに制限されるLMGT3のグリッドを確保する計画があることを示唆した。

 シリーズのルールでは、マニュファクチャラーはLMGT3クラスでそのブランドを代表するカスタマーチームを選ぶことになっている。

「この計画では、少なくとも2台のマシンを用意することになっている。なぜなら、これが各メーカーの参戦可能台数になるとみられるからだ」とサンナは語った。

「WECのLMGT3プログラムはシーズン終了後に発表する予定だが、少なくとも2台のマシンでフルシーズンを戦うことになるだろう」

 アイアン・リンクスがランボルギーニを代表するチームとしてLMGT3に参戦するのかと訊ねられたサンナはこう答えている。「おそらく、イエスだ」。

 アンドレア・ピッチーニ率いるアイアン・リンクスは、現在のポルシェでのプログラムと同様、アイアン・リンクスとアイアン・デイムスというふたつにエントリーを分ける可能性が高いとみられる。

 現在、アイアン・リンクス60号車ポルシェのドライバーはマッテオ・クレッソーニ、クラウディオ・スキアボーニ、そしてポルシェ契約のアレッシオ・ピカリエッロが務めている。アイアン・デイムス85号車はサラ・ボビー、ラヘル・フレイ、ミシェル・ガッティングというオール女性ドライバーラインアップとなっている。

フェラーリからランボルギーニへの移行に伴い、2023年シーズンのWECではポルシェ911 RSR-19を走らせているアイアン・リンクス

 一方でサンナは、ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2が、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパやIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権といった「極めて重要な」シリーズにも、引き続き参戦することを明らかにした。

 また、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにも参戦する予定であり、サンナはそこでは複数のカスタマーの参戦を予期している。

「我々はIMSAのGTDプロ、GTDクラス、そしてヨーロピアン・ル・マン・シリーズにも、コミットを続ける。これらのシリーズへのエントリーを希望するカスタマーチームから、多くのリクエストがある」

「我々は常に同じ決意を持って(GTWCヨーロッパで)レースを続けるつもりだ。 来年はプロカーもあるが、シルバーとプロ/アマにも引き続きマシンを用意する」

「私たちにとってGTワールドチャレンジは常にカスタマーレースのための極めて重要なプラットフォームだ。正直に言えば、それは最高のもののひとつだよ」

「どれだけの数のエントリーをやりくりできるのか、見てみよう」

シルバーカップを制した85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(GRTグラッサー・レーシングチーム) 2023スパ24時間

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