「子どもの留守番時に川が氾濫」あなたが親ならどう指示? 京都で防災授業

5年前の豪雨災害などについても振り返った授業(亀岡市横町・亀岡高)

 若者の防災・危機管理意識を高めるため防災士と消防団長による出張授業が、亀岡高(京都府亀岡市横町)で開かれた。市内でも死者が出た5年前の西日本豪雨などの事例も紹介しながら、災害を自分事として捉えて考えることや、早めの避難行動を起こす必要性を生徒たちに教えた。

 府南丹広域振興局の取り組み。日本防災士会府支部の広瀬和代防災士と、市消防団の田井浩二団長が講師となり、3年生で自然環境学を学ぶ11人を指導した。

 生徒自ら考えてもらうため、広瀬さんは事例として「自宅で子ども1人に留守番させている時、近くの河川が氾濫した。あなたが親なら、子どもにどうするよう指示するか」と質問。生徒らは「自宅2階に避難させる」「避難所に逃げるよう伝える」などと答えたが、いずれも危険な状態のため、広瀬さんは「水が来てからの避難は危なく、最後の手段」とした上で、早めの避難や事前準備の重要性を説明した。市内では2013年9月にJR亀岡駅が浸水するなど水害が相次いでいる状況も教えた。

 田井団長は、消防団の役割や活動について紹介。火災の初期消火だけでなく、18年7月6日の西日本豪雨災害では、消防団が畑野町で行方不明者の捜索や、道路を覆った土石流の泥を洗い流す作業も行ったとして「18歳から入団できるので、入団して減災のため手伝ってくれたらうれしい」と呼びかけた。

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