14番で痛恨の一打 畑岡奈紗「あそこで勝負が決まってしまった」

逆転を許しメジャー初タイトルを逃した畑岡奈紗(撮影/高藪望)

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 最終日(9日)◇ペブルビーチGL (カリフォルニア州)◇6509yd(パー72)

前日は面白いように入った畑岡奈紗のパッティングが、なかなか決まってくれない。2m強が右を抜けた8番のように、わずかに打ちきれずカップ手前で切れていくシーンが続いた。それでも、首位に並んでメジャーのサンデーバックナインを迎えた。「バックナインからの勝負だと、自分でも思っていた」。苦しみながら、その意味では想定内の展開だった。

前日さえわたったパットで苦しんだ(撮影/高藪望)

1打ビハインド、そろってグリーンを外した12番(パー3)は、むしろニアサイドのバンカーに入れたアリセン・コープスの方が苦しい状況。長いパーパットをねじ込まれた後で、2mをセーブできなかった。

まだ2打差だった14番は獲りたいパー5である一方、選手たちが特にグリーンの硬さを口にしていたホールでもある。ともに3打目勝負。70ydほど残したウェッジショットがピンの左奥にキャリーしてラフまでこぼれた畑岡に対し、相手は50ydを右奥からスピンバックでチャンスメーク。ボギーとバーディで一気に4打差まで開いた。

「14番が物語っている」と悔やむ一打(撮影/高藪望)

アゲンストの風が吹き、右奥の傾斜からスピンで戻す狙いは2人に共通。ただ、ドローがかかった畑岡のボールはピンよりも左に飛び、ハードなグリーンにはじかれた。「14番が物語っているんですけど、ああいったショットでチャンスにつけていくことが課題。あそこで勝負が決まってしまったなっていうのはある」と悔やんだ。

2年前のこの大会を含め、メジャーでは2度のプレーオフ惜敗を経験している。最終的には6打差4位フィニッシュとなった「“こっち”の方が悔しい」と言い切る。「2年前は優勝を狙っていってというよりは、自分がいいプレーをして待っていたらプレーオフになった感じ。今週は自分が勝てる位置と分かっていながら、落としてしまった」。勝負どころでライバルに重圧をかけきれなかった自分自身が腹立たしい。

次戦もメジャー「エビアン選手権」(撮影/高藪望)

「プレッシャーがかかったところでうまく打てなかったところ。そこを埋めていければ。エビアンまでに反省を生かして、しっかり練習しないといけない」。次戦となる3週後のメジャー第4戦「アムンディ エビアン選手権」(フランス・エビアンリゾートGC)に向けた糧とする。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

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