創造したもの触れる場に「舞鶴から世界で活躍」目指す アクリル板から開発したものとは

オリジナルのオセロを紹介する金田さん(舞鶴市北吸・舞鶴赤れんがパーク4号棟)

 京都府舞鶴市北吸の舞鶴赤れんがパークに今年4月、金田研人さん(29)=同市上安=がクリエイターの集うスペース「AKARENGA CREATIVE BASE」を開いた。工具やデジタル工作機械がそろい、アトリエとして貸し出すほか、作った商品などを展示する棚や独自の目線で選んだアートを紹介するギャラリーも併設する。

 「クリエイターが発想したものを形にして観光地で発信できる。ギャラリーでは地元に刺激を与える人を呼びたい。創造したもの、されたものに触れる場所です」

 代表を務めるデザイン会社「VONTEN(ヴォンテン)」の事業の一環。自身も家具を作ったり、社員とともに商品をデザインしたりする。最近では新型コロナウイルス禍で大量に生産された透明アクリル板を使ってオセロ板を開発。白黒ではなく、つるつるとざらざらの触感で対戦する仕組みにした。

 5月には地元の高校生らが参加し、古着をリメークするファッションショーの舞台演出も手がけた。「ものづくりは思ったようにいかず、こうしたらどうなるんやろと模索するのが楽しい」

 舞鶴市出身。家業は建設関係のため、子どもの時からものづくりが身近だった。宮津高(現・宮津天橋高)の建築科に進学し、卒業制作で保育園の遊具を設計した時に「自分の考えたものが形になる」とデザインに関心を持った。京都造形芸術大(現・京都芸術大)で建築関係のデザインを学んだ。

 関西で美容室の内装やイベントの空間演出を仕事とした後、4年前に古里に戻って家業を手伝った。昨年11月にVONTENを立ち上げて、創作活動を本格化させた。「舞鶴から世界で活躍する会社にしたい」と意気込む。

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