ねつ造「根拠ない」“5点の衣類”を再び証拠に…「袴田事件」検察 有罪立証すること決める 再審長期化の公算大

1966年、一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑判決を受けていた袴田巖さん(87)の再審=やり直し裁判について、検察は再審公判で有罪を立証することを決めました。

【写真を見る】ねつ造「根拠ない」“5点の衣類”を再び証拠に…「袴田事件」検察 有罪立証すること決める 再審長期化の公算大

袴田巖さん(87)は、1966年、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害された事件で死刑判決が言い渡されていましたが、2023年3月、東京高等裁判所が再審=裁判のやり直しを決定しました。決定の中で東京高裁は、犯人のものとされた通称「5点の衣類」について「ねつ造された可能性が高い」と指摘していました。

検察側はこの衣類について、専門家の意見を聞くなど有罪立証に向けた追加の捜査を行った上で、7月10日、再審で有罪立証することを決めました。

東京高裁が指摘した証拠のねつ造については、「根拠がない」などとして、衣類を再び、袴田さんが犯人である証拠として示す方針です。

袴田巖さん

袴田さんは1966年、静岡県の旧清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社の専務一家4人が殺害され、建物が放火された事件で逮捕され、1980年に死刑判決が言い渡されていましたが、事件から57年経った2023年、東京高等裁判所が再審=裁判をのやり直しを決めました。決定の中で、東京高裁は犯人のものとされた衣類について「ねつ造された可能性が高い」と指摘しています。

これに対し、検察側は有罪立証に向けた追加の捜査を行っていて、再審でも有罪を立証することを決めました。

一方、弁護団は、検察の有罪立証について「時間稼ぎ」に過ぎないとしていて、強く非難していますが、検察側の方針が明らかになったことで、再審は長期化する公算が大きくなりました。

© 静岡放送株式会社