高校野球兵庫大会、火花散らす選手たちの意外な関係 日本代表候補の滝川第二・坂井や189センチ右腕の東播磨・原田ら、実は同じ中学出身!

高校日本代表候補に挙がる氷丘中OBで滝川第二のエース坂井陽翔=神戸市須磨区、ほっともっとフィールド神戸

 熱戦が本格化した全国高校野球選手権兵庫大会。すでに姿を消したチームもあるが、出場した156チーム(158校)の数だけ、背番号1を背負う投手がいる。このうち、同じ中学校出身で異なる複数の高校のエースを担っている-というケースがある。中学では硬式のクラブチームで腕を磨く選手も少なくないため純粋な元チームメートではないことも多いが、同窓生がそれぞれ異なる進路先でエースナンバーをつけている兵庫県内の事例を調べてみた。(大原篤也)

 兵庫大会の開幕前段階での登録選手を見ると、エースに多い、ある出身中学校が目につく。OB4人が背番号1で登録された加古川市立氷丘(ひおか)中学校だ。

 今春の県大会で滝川第二を準優勝に導き、18歳以下(U18)日本代表候補に挙がる坂井陽翔や東播磨の189センチ右腕・原田祐人、加古川北・須原翔琉の3人は3年、加古川東の渡辺透也は2年。加古川東以外は甲子園出場経験がある。

 投手以外でも、坂井とバッテリーを組む滝川第二の捕手で主将の田村武琉(3年)や新颯(2年)、昨年4強に躍進した加古川西の主将・卜部晴仁(3年)らが1桁の背番号で登録されている。しかも、その多くが少年野球チーム「HIOKAパワーズ」で鍛錬した元チームメートだ。

 2017年夏に開催された全兵庫少年野球選手権大会の出場メンバー表を見ると、田村は当時も主将で、背番号1は卜部だった。原田は背番号3、坂井は千番号8で、須原、渡辺は2桁背番号だった。

 少年野球チーム「加古川bbドリーム」に所属していた高松成毅(3年)は神戸国際大付でメンバー入りし、氷丘中OBは計9校で20人が登録されている。

 これを上回る勢力が、姫路市立灘中学校OBだ。

 第2シードの東洋大姫路・内海誠揮(3年)をはじめ、神戸高専・佐藤琉空斗(3年)▽高砂南・藤本仁(3年)▽姫路西・渡辺照英(2年)▽琴丘・加藤翔真(2年)-の計5人が背番号1を担う。

 エースだけではない。ともに主将を務める飾磨工の酒沢聡(3年)、姫路西の石原広翔(3年)のほか、第1シードの須磨学園・河野心斗(3年)、神戸弘陵・松本奏(2年)らも含め計15校で30人が登録されている。OBが集結すれば、かなり強力なドリームチームの編成が可能だ。

 氷丘中と同じくOB4人がエースとして登録されているのが、神戸市立平野中学校だ。

 伊川谷北・山本晃大(3年)と須磨友が丘・増田友貴(3年)は、ともにエースで主将を担う大黒柱。神戸高塚・大久保空と長田・湊絆那は2年生でエースナンバーを背負う。

 ほかに、滝川第二の杉山輝(3年)と金村ジェイク(3年)や須磨翔風・榧谷颯人(2年)、社・斉藤和輝(3年)、須磨学園・森琢磨(2年)と第1シードを中心に計13校に17人が登録された。すでに敗退が決まったチームもあるが、上位進出を懸けた試合の緊迫した場面で「同窓生対決」が見られるかもしれない。

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