詐欺電話検知の「フーズコール」 被害多発、台湾発のアプリ利用増

不審な電話番号からの着信イメージ(フーズコール提供)

 特殊詐欺の被害多発を背景に、不審な電話番号からの着信を検知するアプリ「Whoscall(フーズコール)」の利用者が増え始めた。1~3月の国内ダウンロード数は前年同期比35%伸びた。台湾のIT企業ゴーゴールックが開発し、福岡市に拠点を置く日本法人は、警察や自治体との協力強化を目指している。

 台湾では2人に1人が使っているとされ、ダウンロードは全世界で1億を超える。世界で集めた約26億件の番号を基に悪質な電話を見分ける。インターネット上で公開されている番号を収集し、アプリ利用者からの報告も蓄積する。

 見知らぬ番号からの着信を識別して犯罪に使われる恐れがあると検知した場合、着信画面で「詐欺電話」などと警告が出る。営業電話なども識別する。

 2020年11月設立の日本法人によると、詐欺電話の約3割が海外から発信されており、全世界のデータベースが被害防止に効果的という。関東や九州の自治体と順次協定を結ぶ予定だ。日本法人の責任者、羅偉誠氏は「警察や自治体と連携できれば被害をさらに減らせる」と話す。 

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