コロナ禍経験、4カ月の発達遅れ 5歳児、首都圏で京大調査

記者会見する京都大の佐藤豪竜助教=7日、京都市

 新型コロナウイルス禍を経験した5歳児は、経験していない子どもと比べ、コミュニケーション能力などに約4カ月の発達の遅れが見られたと、京都大などのチームが首都圏で実施した調査結果を10日、国際医学誌に発表した。社会性を身に付ける時期に両親以外の大人や他の子どもとの交流が制限されたことが影響した可能性がある。

 一方、3歳児では明確な差は見られず、むしろ発達が進んでいる面もあった。チームの佐藤豪竜京大助教(社会疫学)は「大人との一対一の交流が重要な時期に、親が在宅勤務となったことが良い影響を与えた可能性がある」としている。

 チームはコロナ禍前の2017~19年、首都圏の複数の保育所に通う1歳児と3歳児計887人を対象に、発達に関わる140前後の項目を調べ、発達年齢を算出した。3歳と5歳になった2年後の19~21年に追跡調査し、20年初めに国内で始まったコロナ禍を経験したグループとそうでないグループで比較した。

 コロナ禍を経験した5歳児のグループは、平均約4.4カ月の遅れが見られた。

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