金沢のオウム対策協、会員減 発足時40人、現在60―70代の10人

施設を監視する金沢オウム真理教対策協議会の会員=金沢市昌永町

  ●事件風化、高齢化に悩み

 オウム真理教後継団体の施設(金沢市昌永町)を監視する「金沢オウム真理教対策協議会」の会員が、2004年の発足時40人から現在10人にまで減った。内訳は60代3人、70代7人で、オウム事件の風化とともに高齢化も進んでおり、協議会は会員確保に頭を悩ましている。

  ●時間短縮し監視

 協議会は金沢の施設が昌永町に設置されたのを機に住民らで結成された。週3回の監視活動を通じ、出入りする信者の動きを確認してきた。新規会員が5年間いない一方で、高齢や体調を理由に退会者が増えている。監視活動は時間を短縮し継続しているが、体力的負担が大きいとの声がある。

 オウム真理教による事件を知らない若者が増える中、協議会は昨年、事件の被害を記した看板を新設したほか、後継団体の概要をまとめたチラシを地域住民に配り始めた。監視活動へ理解を促す説明会を開くことも検討している。

 協議会によると、金沢の施設はオウム後継団体「アレフ」から分派した「山田らの集団」が04年から拠点とし、現在4人が出入りする。6日で死刑執行から5年を迎えた松本智津夫元死刑囚=執行時(63)、教祖名麻原彰晃=の説法を収録した教材や祭壇が見つかっている。

 公安調査庁によると、全国的にはオウム事件を知らない10~20代を中心に団体名を隠しメンタルヘルス講座、ヨガ勉強会と称し、参加者を集めているという。

 協議会の畠善昭会長(76)は「監視をやめれば施設への出入りは活発になるだろう」と話した。

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