●石川・ドラッグ化が進む 富山・地場が店舗網拡大
食品スーパーの店舗数が石川で減少し、富山では増加していることが全国スーパーマーケット協会のまとめで分かった。6月末の店舗数は、石川が179店となり、過去10年間で最多だった2015年4月と比べて16店減少した。一方、富山は167店で10年前から25店増えた。石川では大手ドラッグストアがスーパー跡地を取得して出店を進め、富山は地場2強が店舗網を拡大していることが背景にある。
石川の店舗数は、統計が残る13年9月以降、15年4月時点の195店が最多となっている。一方、富山では13年9月の142店から徐々に増加し、今年6月末に最多の167店となった。
石川では、出店競争が激化しているドラッグストア各社がスーパーを子会社化したり、跡地を取得したりして、自社店舗にするケースが目立っている。
クスリのアオキホールディングス(HD、白山市)は、20年にナルックス(金沢市)を子会社化し、21年にはサン・フラワー・マリヤマ(輪島市)を吸収合併。22年に三崎ストアー(金沢市)のスーパー事業を買収した。スギHD(愛知県大府市)、ウエルシア薬局(東京)などもスーパー跡で出店している。
大手ドラッグがスーパー跡に出店するのは、スーパーの既存客をそのまま取り込めるメリットがあるためだ。
建物をそのまま使う「居抜き物件」も多く、大手ドラッグの担当者は「出店競争が過熱し、新たに建設用地を探すのは難しい。既にある施設を使えるのは効率がいい」とする。
●アルビス、大阪屋が石川で出店攻勢
富山県内では、アルビス(射水市)が38店、大阪屋ショップ(富山市)が43店を展開。両社の店舗だけで県内の食品スーパーの半数近くを占めている。
両社は、石川県にも積極的に出店しており、大阪屋ショップは今年3月、白山市に石川8店目となる「松任相木店」をオープンした。アルビスは、七尾市から小松市まで計20店舗を展開している。
大阪屋ショップは今後、さらに石川での出店を計画しており、担当者は「スーパーの特長である生鮮の品ぞろえを強化し、安くて新鮮な商品で勝負したい」と話した。