米海兵隊トップの後任が不在 共和党議員反対し上院未承認

共同通信のインタビューに応じた米海兵隊のデービッド・バーガー司令官=2023年5月25日、ワシントン(共同)

 【ワシントン共同】米海兵隊トップのデービッド・バーガー司令官が10日、退任した。後任に見込まれているエリック・スミス副司令官は、共和党議員の反対により就任に必要な上院の承認が得られておらず、ポストは不在のままだ。スミス氏は承認されるまで異例の司令官代行となる。

 代行は司令官と同じ任務と権限を持つが、米メディアによると、海兵隊が代行を置くのは1859年以来となる。

 バーガー氏の退任式が10日、ワシントンで開かれた。出席したオースティン国防長官はあいさつで、米国の防衛や海兵隊の戦闘力を発揮するためには「円滑で迅速な司令官の交代が不可欠だ」と述べ、上院に対して早期に承認するよう求めた。バーガー氏も「上院に仕事をしてもらう必要がある」と苦言を呈した。

 国防総省は5月31日、バイデン大統領がバーガー氏の後任にスミス氏を指名すると発表した。上院に通知されたが、米兵が人工妊娠中絶を受ける権利を擁護する国防総省の施策に反発する共和党のタバービル上院議員が、スミス氏の人事案を含む承認手続きを拒んでいる。

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