シリア越境支援、延長できず 安保理、欧米とロシア対立で

シリア北西部イドリブの難民キャンプで、過酷な状況で暮らす子どもたち=6日(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は10日、内戦下のシリア北西部に隣国トルコから食料や医薬品を運ぶ越境支援を延長できなかった。支援を認める決議は10日に期限切れを迎えて失効。安保理筋によると、ロシアは半年間の延長を主張し、欧米などはより長期の継続を求め、対立している。

 議長国の英国によると、安保理は11日に支援を認める決議の採択を目指す。これまでの越境支援では、シリア政府の許可なしに北西部の反体制派地域に物資を搬入できていたが、ロシアがシリアの主権侵害だと反発し、規模縮小を強いられてきた。

 シリア北西部の反体制派地域は政府軍に包囲され、食料や医薬品などを国内から届けられない。

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