都心で初の猛暑日 各地で危険な暑さに 熱中症警戒アラートも発表

都心で今年初めての猛暑日となりました。7月10日の都内は各地で危険な暑さとなり 熱中症警戒アラートも発表されました。熱中症疑いの搬送が相次ぎ、警戒感が高まっています。

強烈な日差しと、60%を超える高い湿度。7月10日の都内は各地で危険な暑さに。都心は最高気温36.5℃を観測、今年初の猛暑日となりました。さらに練馬では37.8℃を記録、どちらも今年の最高を更新しました。

一方、最高気温を更新したのは多摩地域でも。府中では最高気温が36.7℃と今年1番の暑さになりました。府中駅前ではうだるような暑さの中でも、子どもたちが元気に街を散歩していました。多摩地域ではほかにも、奥多摩町・青梅市・八王子市でも今年の最高気温を更新しています。

都内には今年初めて、熱中症警戒アラートが発表されました。東京消防庁の総合指令室では、10日朝から熱中症などを中心に救急要請が相次ぎ職員が対応に追われていました。東京消防庁管内では、7月10日午後3時点で男女53人が熱中症の疑いで搬送されています。

さらに東京消防庁は7月10日の危険な暑さに対し、7月1日から導入した「救急車ひっ迫アラート」を初めて発表しました。これは救急車の出動率が80%を超えたときなどに、救急車の適正な利用を目的に発表されるもので、午前8時半の時点で出動率は90%を超えていました。こうした状況に東京消防庁は通常の279台の救急車では対応しきれないため、約30台の非常用救急車を出動させています。

東京消防庁総合指令室 藤野消防司令補:「都民のみなさんには今、救急出動率が上がっていて、救急車の到着に時間が要ることを発表し、救急車の適正利用を訴えたいというところで、救急車逼迫アラートを出している」

本格化する都内の暑さ…訪問診療を行っているクリニックも警戒感を高めています。田代院長は、屋外よりも屋内での熱中症で重症化する事例が多いといいます。

田代院長:「外を出歩いている人で気分が悪くなったという人はいても、意識がおかしくなるところまではいかない。家の中にいる人の方が「まさか家で」という感じの人ですね」

先週往診した高齢の夫婦は、エアコンをつけずに寝ていたところ、翌朝、妻がぐったりしていたといいます。今までの夏は扇風機だけで大丈夫だったと冷房を嫌う高齢者も多く、田代院長はそういう高齢者にはしつこいくらいに冷房の使用をお願いしているといいます。

田代院長:「近年の夏はそれだけで災害状態みたいなものだから、適切な温度管理・湿度管理できるエアコンは生命維持装置と一緒なんだよと伝えると、そうなんだとつけてくれる人がいる」

田代院長によるとヘルパーさんが帰った後の夜間や、雨上がりの湿度の高い時に熱中症になる高齢者が多く、注意してほしいということです。

この夏も必需品になりそうなエアコン。都内の家電量販店を訪れると…
ビックカメラ有楽町店 内田さん:「先週末から気温も高くなっていることにより、非常に問い合わせが増えています。昨今から言われております、電気代の値上がりと共に省エネ性能に特化したエアコンの問い合わせが(特に)増えております」

店によりますと、燃料費高騰による電気代値上げの影響もあり「省エネ性能の高いもの」が人気だということです。担当者はエアコンを使用し始める前に注意が必要だと話します。

ビックカメラ有楽町店 内田さん:「まずはエアコンの試運転をすることをお薦めしております。やはり使っていない期間が長いと急にエアコンを動かしたときに故障してしまうというリスクもございますので、試運転をしてこの夏に備えるという使い方をお薦めしております」

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