頭ケ島天主堂に聖歌響く 「キリシタン遺産」登録5周年 新上五島

草野さん(手前中央)の指揮で聖歌を披露するコーラスグループ(奥)=新上五島町、頭ケ島天主堂

 長崎県新上五島町友住郷の頭ケ島天主堂で9日、講演会とコンサートが開かれ、約50人が訪れた。新上五島町が展開する世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」登録5周年記念事業の一環。同天主堂は構成資産の「頭ケ島集落」の中にある。
 長崎県建築士会の髙橋弘一専務理事が「世界遺産としての頭ケ島の価値とは何か」と題して講演した。高橋氏は「世界に認められた誇りを持ち、自分たちで守っていかなければならない」とした上で「1867年に五島におけるキリシタンの一大拠点になるなど、構成資産の中では大浦天主堂の信徒発見に並ぶストーリーを持っている」と説明。「歴史や周辺環境を生かし、祈りの島、安住の島へと次の10周年を目指してほしい」と結んだ。
 コンサートは、お告げのマリア修道会の福江、浦頭水ノ浦修道院のシスター有志によるコーラスグループ、コールアンジェラスがアヴェ・マリアなど10曲を披露。指揮をした長崎純心大のピアノ講師、草野延代さんは「由緒ある天主堂で演奏できて光栄」と話した。
 同町鯛ノ浦郷、松本千春さん(62)は「久しぶりに本格的な聖歌を聴けてよかった」と笑顔で話した。

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