政策の決め方、ゲームで学ぶ 費用は?署名集めは?陳情は? 弘前大生が考案

ゲームを通じて政策決定を学ぶ児童らと助言する弘大生(中央)

 弘前大学教育学部政治学研究室の3年生3人が、政策ができるまでのプロセスを楽しく学ぶ小学生向けゲーム「公園を作ろう!」を考案し、10日に青森県弘前市の弘大付属小学校で初披露した。3、4年の児童16人が公園作りについて話し合い、設計や署名集め、陳情といった政治の仕組みを学んだ。

 ゲームは「若い人たちに政治への関心を持ってほしい」と、同研究室の佐々木健吾さん(20)、武田遼さん(22)、有本粋基(ただのり)さん(20)が約3カ月かけて完成させた。

 児童らは4人一組となり「1千万円で2年以内に公園を作る」というルールでさまざまな選択肢の中から、進め方を決める。例えば、建設地に広い土地を選ぶと整備にお金がかかり、建設期間も長いが、ミニSLなど大規模な遊具を設置できる。「集める署名数」「陳情する議員数」という選択肢もあり、人数が多いほど時間も費用もかかる。

 佐々木さんらは「(公園作りを)『いいね』と言ってくれる人が少ないと、遊んでいる子どもの声がうるさい-と苦情が出るかも」などと助言。児童らはどんな公園にしたいかを話し合い、残金や残り期間と必要なコストを比べながら、自分たちの公園を完成させた。

 参加した竹内啓太君(4年)は「公園の広さで班の意見が食い違ったが、思っていたような公園ができた。公園を作る時にも、いろいろな話し合いが必要だと分かった」と話した。

 ゲームのアイデアを出した佐々木さんは「政治は身近なことで、難しくないと知ってほしかった」、武田さんは「合意形成の大切さを感じてもらえたのでは」と語る。有本さんは「改良し、より良いゲームにしたい」と話していた。

© 株式会社東奥日報社